悪夢の始まり
次の日……。八百万高校……。
「梅雨原さーん!」
赤髪ポニーテールと赤い瞳が特徴的な女子『田中 泉』は黒髪ロングと黒い瞳が特徴的な女子『梅雨原 霞』の背後から彼女に抱きつこうとしたが、彼女はそれをスルリと躱した。
「な、なんで避けるの?」
「身の危険を感じたからよ」
「えー、別にいいじゃん。女の子同士なんだし」
「私はそんな理由で抱きつかれたくないわ」
「えー、そうなのー?」
「ええ、そうよ」
「そっかー。そうなんだ……。ねえ、壊人」
「ん? なんだ?」
彼女は椅子に座っているオールブレイカーこと『不死鳥 壊人』に話しかけた。
「壊人は急に抱きつかれても平気だよね?」
「まあ、そうだな。そういう時は相手の手首を……」
「いや、護身術の話じゃないよ」
「じゃあ、何の話だ?」
「だから、その……私が今ここで壊人に抱きついても壊人は拒まない……よね?」
「うーん、そうだな……。田中さんがそれ以上のことを俺にしないなら、拒まないかもな」
「なんか私が何かする前提で言ったよね? ねえ?」
その直後……予鈴が鳴った……。
「この話はこれで終わりだ。早く席につけ」
「はぁ……分かったよ。言う通りにするよ」
それから放課後まで田中さんはずっとムスッとしていた……。
「さてと、じゃあ帰るか……って、田中さんは?」
「それなら、さっきトイレに行ったわよ」
「そっか。なら、その間に宿題でもするか」
「……ねえ、不死鳥くん」
「ん? なんだ?」
「その……あなたはこれからもこの学校にいるの?」
「まあ、梅雨原さんや田中さんみたいに俺が超能力者だってことを知っても友達でいてくれるやつがいる間は、ここにいるつもりだ」
「そう……。なら、気をつけた方がいいわよ」
「クラスの中に超能力者かどこかの組織に所属しているやつがいるかもしれないからだろ?」
「え、ええ、そうよ」
「うーん、まあ、俺のことを知っているやつがクラスの中にいても妙な動きをすれば、すぐに分かるから今のところは大丈夫だ」
「……そう……なら、いいのだけれど……」
それから二十分後……。
「……ねえ、不死鳥くん」
「分かってるよ。田中さんの様子を見に行くんだろ?」
「ええ、トイレにしては流石に長すぎると思うから」
「だよな……。じゃあ、行くか」
「……ええ」
オールブレイカーは梅雨原さんと共に女子トイレに向かうことにした……。




