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八月十日……その二十一……

 夏休み……八月十日……。

 オールブレイカーこと『不死鳥ふしどり 壊人かいと』は夢の中で彼の妹(?)に出会った。

 なんだかんだあって、彼女が彼の松果体しょうかたいの中に住んでいることや『オールブレイカー』を発動するには条件が三つあることなどが分かった。

 現在、三つ目の条件『能力の発動後、彼女に代償を支払わなければならない』について話している。


「なあ、小雪こゆき。一つだけ確認したいことがあるんだが、いいか?」


 彼は白髪ロングと血のように赤い瞳(ジト目)と白いワンピースが特徴的な美少女……美幼女『不死鳥ふしどり 小雪こゆき』にそう言った。


「うん、いいよ。何かな?」


「その……お前がさっき言ってた代償って、いつもなら俺の細胞一つだけでいいんだよな?」


「うん、そうだよ。けど、今回は『オールマイティーブレイカー』になっちゃったから、それなりの代償を支払ってもらわないといけないよ」


「そ、そうだよな……。あははははは……」


 彼が苦笑いしながら、そう言うと……。


「じゃあ、早速その代償を支払ってもらおうかな。ねえ、お兄ちゃん。お兄ちゃんなら、四肢ししがれるのと三十分間、私のものになるのと三十分間、私と抱きしめ合うのと三十分間、私の頭を撫で続けるのうちから、どれかを選ばないといけないって言われたらどれにする?」


「……えーっと、一応、いておくが、俺に選択権はあるんだよな?」


「まあ、一応はね……」


「そうか……。うーん、そうだな……。前半二つ以外なら、どっちでもいいぞ」


「そっか。じゃあ、どっちもしてくれる?」


「えっと、お前を抱きしめた状態で頭を撫でればいいのか?」


「うん、そうだよ。じゃあ、早速始めるけど、準備はいい?」


「お、おう、いつでもいいぞ」


「よし、じゃあ、小雪こゆき行きまーす!!」


 小雪こゆきは、彼の胸の中に飛び込むと彼の背中に手を回した。

 彼は一瞬、躊躇ちゅうちょしたが彼女の背中に回した。

 そして、彼女が彼をギュッと抱きしめた後、彼は彼女の頭を撫で始めた。


「え、えっと、こんな感じ……かな?」


「うんうん、いい感じだよー。でも、少し物足りないなー」


「……えっと、それはつまり、俺はまだ何かしないといけないってことか?」


「うん、そうだよ」


「え、えーっと、俺は具体的に何をすればいいんだ?」


「……目を閉じて」


「え?」


「いいから、早く目を閉じて!」


「わ、分かったよ。というか、そんな大きな声出す必要ないだろ……」


 彼はブツブツとそんなことを言いながら、ゆっくりと目を閉じた。

 その直後、彼女は彼の鼻に自分の鼻を当てた。

 つまり、『鼻ポチ』である……。


「はい、もう目を開けていいよ」


「え? もしかして、今ので終わり……なのか?」


「うん、そうだよ。あとは約三十分間、この体勢を維持してね」


「おう、分かった。じゃあ、このまま続けるぞ」


「うん!」


 彼女は満足そうな表情を浮かべながら、彼の胸に顔を埋めた……。

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