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こちら学園探検部 ~別名指輪物語、正確には『ハーレム王と指を指される僕と変人女子高生達の輪による同好会の物語』~  作者: 於田縫紀
エピローグ 王の帰還 ~厳密には『ハーレム王と級友に問い詰められた僕は普通の生活に帰還したい』

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第69話 地中の御社

 化け物と出会う事三回。

 撃破する事当然三回。

 そんな感じで進んでいき、そして美菜実が立ち止まった。

「この先三十メートル右折で急に広くなるぞ。幅三十奥五十高さ四メートル位の空間だ。これで空間自体は終わっている。扉とかはあるかもしらんがな。中はちょっと色々濃かったり薄かったりする感じ。何がいるかよくわからない」

「何か微妙な物言いだな」

「今までの化け物ははっきりとした物質だった。でも今度はちょっと違う。霊体とかそういうイメージだとすれば理解できる」


 雅が頷いた。

「私の出番ですね。ランタンの準備をお願いします」

「了解」

 僕は自分のディパックの肩紐を片方外して前に持ってくる。

 上の蓋からガスセット済みの小型ランタン二個を取り出しディパックを背負い直した。

 そしてランタン2個を前に持っていって点灯する。

「おお、明るいなこれ」

「明るいけれど熱くなるから扱いが面倒でな。普段はだから電池式のランタンを使うんだ。これは祈祷に使う篝火の代用品だな」

 その間に雅は自分のザック横から大麻を取り出す。

 下に置くとザックが汚れそうなので雅からザックを受け取っておく。


「それでは始めます」

 雅はそう言うと大麻を正面に構えて、僕のわからない言葉を唱え始めた。

「天清浄地清浄内外清浄六根清浄と祓給う……」

 前も感じたのだが、この儀式のような事をしているときの雅は本当に綺麗だ。

 僕には魔力とか超能力とかは一切無い。

 それでも雅を中心に付近が浄化されていくのが感じられる。

 ここは地下道の中。

 でも爽やかな空気が広がっている感じがする。

 あの合宿の時に朝御飯を食べた場所で感じたような、あの清涼感が。

 雅が大麻を振るう。

 まるで光の粒が大麻に吸い寄せられ、そして散っていくのが感じられるようだ。

 そして……


「終わりました。もう大丈夫です。ですけれど明かりが必要なので、済みませんが佳奈美さんと朗人さん、ランタンをつけたまま持ってきて下さい」

「了解なのです」

「わかった」

「もやっている感じはなくなったぞ」

 そんな訳で僕らは角を曲がる。


 その先にあったのは簡素な社だった。

 鳥居もちゃんとある。

 参道はちゃんと敷石が敷かれていて社の前まで続いている。

 社は木製だろうか。

 簡素ながら確かに神社だとわかる作りだ。


 更に美菜実が気づいた。

「この扉は何だ?」

 通路の参道と反対側に小さな扉がついていた。

 人が通るにはちょっと小さい。

 縦四十センチ横四十センチというところだろうか。

 金属製で割と近代的な作りだ。

 きっとこれだけは別の時代、もっと言えば現代に作られたと思われる。

「そうですね。それも開けましょう。ヒューム値を測るまでもありません。ただ向こう側に落ちないように注意して」

 そういう事で美菜実が真っ先に駆けていって扉を開いた。

「おお、外だ。しかも高い!」

 外の光が差し込んできた。

 僕や佳奈美は火のついたランタンを持っているから危なくて駆け寄れない。

「外はどんな感じなのですか」

「崖だ。崖の途中にこの穴が空いている。下は十メートル以上あって外に出るのは無理そうだ。ついでに方向的には多分真南だ」


 雅が頷く。

「おそらくはそれが今の神様の通り道でしょう。昔は修行者が崖経由でこの社に訪問したのかもしれませんね。さて炎はそれぞれ佳奈美さんはこの場所、朗人さんはこっちへ置いて下さい」

 僕らは言われた通りにランタンを置く。

「それでは少しこのお社の整備をしましょう。まだ口をつけていないミネラルウォーターをお持ちの方はいませんか」

「僕が二本持っています」

「私も一本あるのです」

「私も持っているぞ」

 簡単に四本ほど集まった。

 雅はそれを社に供える。

「それでは少しここで整備の儀式をします。少しお待ち下さいね」

 そう言って雅は参道の端を歩いて行き、そして社のすぐ前に立つ。

 そこで二礼して。

 そしてまた祝詞を唱え始めた。

「高天原に神留まり坐す……」


「さあ、これで当分はここも大丈夫でしょう。でも出来たら掃除道具を持ってまたここへ来たいですね。本当はお掃除を丁寧にしたいところなのですけれど」

 そんな訳で僕らは外へ通じる扉を閉じてランタンを消し、地下道を戻り始める。

「それにしてもここの神社、何だったのですか?」

「この辺りは修験道にも近い山岳宗教がありましたからね。その行場のひとつだと思います」

「でも何故学校の地下道と繋がっているのでしょうか」

「途中妙なカーブとかありましたしね。きっと社に通じる地下道が先にあって、それを発見したうちの学園の誰かがつなげたのではないでしょうか」

「その辺は図書館で要確認な。まあ平日作業だけれどさ」

 そんな事を皆で話しながら。

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