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こちら学園探検部 ~別名指輪物語、正確には『ハーレム王と指を指される僕と変人女子高生達の輪による同好会の物語』~  作者: 於田縫紀
第2部 二つの塔 第4章 再挑戦! 二つ目の塔

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第65話 救いは来なかった

 先生に酒が入ってしまったせいだろうか。

 話題がだんだん怪しくなってくる。

 厚切りベーコンも大分短くなった。

 先生だの先輩だの佳奈美だの雅まで直接ガジガジかじった結果だ。

 なお僕はいただいていない。

 別に潔癖症という訳ではないけれど、この四人と間接キスというのもちょっと……

 まあ男子の方がきっと女子よりこういうのを気にするものなんだろう。

 臆病だと言わないでくれ、リスクを避けているのだ。


 そうやってリスクを避けていても災難は色々ふりかかってくる訳で……

「それにしても佳奈美ちゃんはいいわよね」

 先生が佳奈美のことを松戸さんでなく佳奈美ちゃんと呼んでいる。

 これは結構きこしめしているような……

「何がなのですか」

「柏君がいる事よ。何やかんや面倒見が良くて、料理も出来て、そしてそれでいて普通だし。色々な意味で便利でお得よね。私なんか二十八なのに彼氏すらいないし」

 おいおい先生、何という事を。

「そうだよな。焼き肉屋の時も思ったけれど、朗人は面倒見がいいよな。

 沢の時だってそうだ。佳奈美が疲れ切っているのを見て、何気にさらっと佳奈美の分の荷物持っていたりして」

 おいおいおい。先輩まで。

 それはその時面倒を見ておかないと後が面倒だという学習の結果だぞ。

 だから断じて愛情とかそういうのでは無い。

「そうですよね。理解者がいるというのはいい事です」

 雅まで。


 しかしそこで佳奈美は不敵なとしかいいようのない笑いを浮かべる。

 あ、これは不味い事を言いそうだ。

 僕の経験センサーが全力で警報を発している。

「おい佳奈美、何を……」

「何なら実力で奪ってもいいのですよ」

 遅かった。

 そして衝撃発言はなお続く。

「私にとっては朗人は必要なのです。でも実は朗人にとってはそうでもないと思うのです。今は私の魅力で何とか朗人を引き留めているだけなのです。

 だからその気になれば朗人を色々な方法で奪うのも可能ではあるのです。その戦いは好んで受けて立つのです」

 おいおいおい、僕本人を前に何という事を言うのだ。

 しかも佳奈美の魅力で引き留めているだと!


「佳奈美さん、それ本気なんですか」

 先生までそんな事を聞いている。

「本気も本気、朗人が選ぶ自由も間違いなくあるのです。それは残念ながら事実なのです。勿論私も受けて立つのです。私は代替品を発見するまでは朗人が必要だし、そう簡単に代替品が見つからない事もよく知っているのです」

 おい佳奈美、いくら何でもそれは……

「わかりました。それでは私も少し努力してみましょう」

 おいおい雅、その発言は危険だ。

 そして先生と先輩の視線も怖い。

 ああヤバい不味いと思わず震えが来てしまう。


「例えばこんな風に朗人が調子悪そうにしているとするのです」

 誰のせいだと大声で言いたい。

「そしてちょっと前に。男の人が元気になると言われる呪文があるSNSで流行ったのです。という訳で実行してみるのです」

 何かもう嫌な予感しかしない。

 そして佳奈美はその台詞を口にする。

「大丈夫、おっぱい揉む?」

 おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい!

 教育的指導ものだろその台詞。

 しかし指導するべき先生は不敵に笑う。

「甘いわね。私は先輩からもっと強力な呪文を聞いた事があるわ」

 おいおい先生何を言い出す気だ。

「今夜どうかしら。私を好きにしていいわよ」

 うわああっちょっと待て、それ青少年には厳しすぎる!

「さすが先生。大人だな」

 先輩頷くな。

「私も努力が必要なようです」

 雅、努力するな。


 そして更に。

「雅はいいのです。いいものを持っているのです。こればかりは私には勝てない強力な武器なのです」

 佳奈美は雅の背後に回っていきなり雅の胸に手をやった。

「これが、これが私には足りないのです!」

 もう勘弁してくれ。

 僕はこっそりとこの場を逃げだそうとして……

「甘いな。動きがバレバレだぜ」

 先輩に捕まった。

「さて、ちょうど捕まえたところで」

「まずは色々調査の時間なのです」

 佳奈美も迫ってくる。

「学園探検部、夜の調査探検だな」

 先輩その台詞色々危険です。

 助けてくれ!

 そう叫んでもきっと誰も助けに来ない。

 先生や雅まで迫ってくる。

 ああ、誰か、救いの手を……

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