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こちら学園探検部 ~別名指輪物語、正確には『ハーレム王と指を指される僕と変人女子高生達の輪による同好会の物語』~  作者: 於田縫紀
第2部 二つの塔 第4章 再挑戦! 二つ目の塔

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第60話 今はまだ必要無い知識

 そんなこんな色々した後。

 午前十時過ぎ、先生は無事僕らを例の林道入口に送ってくれた。

「どうしようもなければまた電話してもいいですよ。昨日と同じ条件なら喜んで迎えに来ますから」

 ちなみにGWは六日まで、つまり明日までは休みだ。

「着替えがあればそうしても良かったんだけれどね」

 先生の服は先輩と雅には小さすぎ、佳奈美には大きすぎるそうである。

 そんな事を話しながら林道を歩くと昨日と同様、塔が目の前に現れた。

「朗人、測定器はどう」

「この場所で〇・九。昨日と同じです」

 つまり危険の原因在中のままという事だ。


「それでは用意をしますね」

 雅がディパックを下ろし、長い入れ物を横から外す。

 ちなみにこの長い入れ物は先生曰く釣り竿入れだそうだ。

 勿論中に入っているのは釣り竿では無い。

 大麻(おおぬさ)、または大幣(おおぬさ)と言われるお祓いの道具だ。

「朗人、もう少し扉に近づいてくれ。大丈夫、最悪の場合は奥の手を出すから」

 そう言われて僕は扉に近づいてみる。

 扉から一メートルのところで中からカリカリいう音が聞こえた。

 扉をひっかいているような音だ。

「扉をひっかいているような音がします。測定値は九、いや〇・〇九です」

 指数表示を一瞬読み間違えた。

「よし、敵として不足は無い。向こうも扉でこっちに出てこれない様子だしな」

「ランタン二個、こんな感じでセットでいいのですか」

 大体僕の両脇位のところに佳奈美がランタンをセットする。

 既に明かりがともっているが何せ日中、そんなに明るさは感じない。

「充分です。それでは朗人さん、場所を代わって下さい」


 雅が前に出る。

 ディパックを下ろし、大麻を片手に持っただけ。

 あとは何も変わっていない。

 服装も紺のポロシャツにデニムのレギンスパンツ姿。

 でも何か凜とした雰囲気が感じられる。

 雅はさっきまで僕が立っていた場所に立ち、そして一礼して大麻を構えて。

 そして……

「天清浄、地清浄、内外清浄……」

 何かを唱え始めた。

 僕らはただ黙って見ている。

 ある意味雅に見とれるように見ている。

「其身其體の穢れを……」

 確かにこの時の雅は何か普通と違う感じだった。

 悪い意味じゃ無い。

 どういう表現を使えばいいかわからない。

 でも綺麗だ。

 最初激しくなった扉内部からの音は次第に低くなり、そして聞こえなくなった。

 雅が大麻を振るう。

 そして袂から取り出した小瓶から何かを振りまいた。

 更に礼をして、それから雅はこっちに振り向く。

「祓いの儀式はこれで終了です。念の為朗人さん、測定器で調べてみて下さい」


 僕は測定器を持って雅と位置を変わる。

 測定器の数値は一・〇で安定している。

 中からの物音も聞こえない。

 念の為僕は更に近づく。

 扉直近、扉に触れる位。

 それでも測定器の数値は変わらない。

「測定器、値は一・〇のままです」


「よし、それじゃこれの出番だな」

 先輩は鍵を取りだした。

 あの佳奈美がプラスチックで作ったものである。

「一応念の為皆下がっていろ。あとランタンはもう消しておけ」

 言われた通りにして皆下がった後に。

「それでは、ポチッとな」

 先輩は鍵を入れて、回す。

「よし、これで大丈夫だったようだぞ。中でカチリと音がした。

 それでは皆のものよろしいか、御開帳!」

 扉を一気に開く。

 何も出てこない。

 動くものも何も見えない。


 中にあるのは何か置かれたテーブル、本棚、そして階段だけだ。

「消したけれどそのガスランタンの方が明るいな」

 そう言って先輩はランタンを拾い、ガスボンベの方を持って火をつける。

「さて、中へ行くぞ。朗人はヘッドライト装備。測定器を注意して見ていろよ」

 という事で扉が閉じないようもう一個のガスランタンで扉を止め、そして僕らは中を観察する。

 下に下りる階段。

 テーブルと、その上にアクリル製らしい透明カバーに入ったメモ。

 そしてガラスの扉付きの本棚。

 これだけだ。


 メモは日本語、それもワープロかパソコン打ちだ。

『図書館に置いておくと危険な書物をここに保存する。色々な存在を寄せる事があるので取扱には充分注意すること。なおこの図書館別室の存在と在庫書籍については、管理者、真にその書籍を必要とする者、及び自力でここに辿り着いた者以外は秘密とするよう願いたい。初代図書館館長、団田理音』


 しばしの沈黙の後。

「こういう事だったんですね」

 雅が納得したように頷いた。

「将来必要になるもので、将来進むべき指針。そういうにはちょっと内容的にエグく微妙なのです」

 佳奈美は本棚の中にある本のタイトルを確認しそんな事を言う。

「何か面白い本はあるか」

「面白すぎて手に負えない本ばかりなのです。見なかった事にするのが正しいと思われるのです」

 佳奈美がそう言うという事はまあ、それが正解なのだろう。

 だからあえて僕はどんな本があったのかを聞かない。

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