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こちら学園探検部 ~別名指輪物語、正確には『ハーレム王と指を指される僕と変人女子高生達の輪による同好会の物語』~  作者: 於田縫紀
第2部 二つの塔 第3章 二つ目の塔

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第57話 ゆるくないキャン△

 最初の部屋は洋間。

 広さは十畳位だろうか。

 その部屋内に布団干しのパイプが二組あり、テントが一つ広げられて干されていた。

 僕らも合宿で使ったダンロップとか言う本体がオレンジ色の奴だ。

「テントを干しているときにメールを受けてそのまま出ていったんです。ですからフライとかもう1つのテントはこれからの状態ですね。まずはそこからお願いします。生地は全部通気性がいいから重ねても大丈夫です。取り敢えず床に落ちている場所があまりないように干して下さいな」

「了解なのです」

 という事でテント二つとそれぞれのフライシートを目一杯広げて干す。

 しかしこの部屋、何もない。

 大きいテントを干すには助かるけれど。

 テント干し専用の部屋なのだろうか。


「次はベランダで青いビニールシートを干します。風で飛ぶと大変ですから布団用の大きい洗濯ばさみ使ってね」

 はいはい。

「石動さんは隣の部屋で寝袋を干して下さい。ここのテントと同じようにね」

「わかりました」

 雅は隣の部屋へ。

「神流さんは風呂場。ウエーディングシューズが投げてありますからシャワーで泥を落として洗濯機に入れて回して下さい。洗濯機は汚れ物コースでお願いね」

「はい」

 そんな感じで皆で働く。


 どうも二階の洋室十畳二間は山道具専用に使っている感じだ。

 この二室は家財用具が全く無い。

 洋服ダンス風の押し入れにプラスチックケースがいくつも入っており、それが全部様々な山道具だ。

「このふかふかの長い足袋みたいなのは何なのですか」

「テント内シューズですよ、雪山用の。通称象足(ぞうあし)とも言います。雪山だとテント内でも凍傷防止で基本的に靴を履いたままなんですけれど、それだと足が疲れるでしょう。だから靴からそれに履き替える訳です」

「カラビナが大量にあるです。あとこの引っ張るとキコキコするのは何ですか」

「カムって呼んでます。岩と岩の間に入れて手を離すと引っかかるという、確保に便利な道具ですよ」

「こっちの底の薄い小さな靴は」

「岩登り用のクライミングシューズですわ」

 何かもう、完全にアウトドアショップという感じに色々揃っている。

 ロープかザイルかわからない縄が何種類か壁にかけたフックから下がっているし。


「あと、出来ればテントはもうひとサイズ大きいのを買いたいんですよね。個人的には大学で使い慣れているエ●パースの六~七人用が好きなんです。あれは中が六角形で、人数集まるにはなかなかいい造りなんですよ。八人位余裕でぐるっと車座になれますから」

「この前のキャンプ場にあったような大きいのは駄目なのですか。コー●マンとか」

「あれは確かに大きくて安いけれど、ザックに入れて持ち運ぶには大きすぎたり重かったり、立てても耐候性が弱かったりして好きじゃ無いですね。それに雪のシーズンに使えないし。やっぱりテントは四シーズン対応の登山用でないと怖いんです」

 完全にハード系の山趣味の世界だ。

 ゆるくないキャン△という感じ。


「それにしても装備がやけに多くないですか」

「この広い家を確保した事を昔の仲間に知られたらね。大学時代は山をやっていたけれど社会人になって山道具を整理するって人が譲ってくれるようになったんです。また使う機会があったら使いたいから置いておいてくれなんて。それで何時の間にか増えて来ちゃったんですよ。革製の重登山靴なんて二十二・五から二十八・五まで揃ってしまいましたし。ちょうどいいのでワンゲルなんかに貸していますけれど」

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