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こちら学園探検部 ~別名指輪物語、正確には『ハーレム王と指を指される僕と変人女子高生達の輪による同好会の物語』~  作者: 於田縫紀
第2部 二つの塔 第3章 二つ目の塔

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第54話 戦略的撤退決定

 そんな僕に多大なるダメージを与えた長く長く感じる時間の後。

 雅が何かくすりと笑みを浮かべた。

 ちょっと涙目だけれども。

「何かここまで言われると、私が色々隠していた事が馬鹿みたいですね」

「世の中には朗人みたいな馬鹿がいるからな。まあしょうがない」

 先輩の毒舌。

 やっぱり僕はダメージ食らう役のようだ。

「なら私も言いますね。

 私はどうも古い神官だの祈祷師だのを排出した血筋のようです。両親もどちらの祖父母も普通の人なんですけれどね。一応父方の家系図はある神社の禰宜だったという事になっていますけれど。

 それで小さい頃から私の回りには怪現象と大人か感じる出来事が多発していたそうです。今思えば大した事じゃない。人ではない色々な存在と会話したり状態を視たりしていただけなのですけれどね。

 そんな訳で父方の知り合い経由でそういった神道系のある施設に入れられ、そこで中学卒業まで過ごしていた訳です。ただ学校に入るのは普通そういった力を求める側。だからまあ、色々とあったのですけれどね。

 それでも何とか回りに問題無い程度にあわせる事を学んで。そして施設の先生の推薦でこの学校へ入校してきたんです。ここなら閉鎖空間だし何か問題を起こしても広まらないだろうと。

 だから私、能力が明らかになるのを恐れていたんですけれどね。先輩もあっさり自分が魔女だと言って魔法を見せるし。佳奈美さんは佳奈美さんであそこまで言ってくれるし。何か色々考えすぎていたみたいです」


 佳奈美がわざとらしく肩をすくめる。

「私が言った台詞なんて大した事は無いのですよ。中学時代に朗人に言われた言葉の山々に比べれば実に全然全くもって大した事はないのです。偉人の言葉や故事成語や、挙げ句の果てに書評やら何やら引用されて色々言われましたですから。何ならその一部を披露してもいいのです」

「おっ、それは面白そうだな」

「頼むから勘弁して下さい」

 ハモった。

「付き合いの長さの差で、今回に限り朗人の意見を採用してやるのです」

 ふう、ちょっと安心。

 でもこれで安心する自分が悲しい。


「さて、そこでご相談なのですが。私の能力はあくまでも知識という形でしか顕現しないようなのです。

 そして先輩の魔法は非常時以外使用不可。

 更に朗人は役立たずときています。

 そこでもし、雅先生が今の探検部の陥った事態を打開できる能力をお持ちなら、是非ともお願いしたいのですけれども」

 雅は頭を下げる。

「ごめんなさい。確かにちょうどいい能力というか方法を知っているのですけれど、道具が無いと使えないんです」

「道具は寮にあるのですか」

「もう使う事は無いと置いてきましたから。神事用具を売っている場所があればある程度は揃えられると思うのですけれど」

「買った道具で大丈夫なのですか」

「形というものも力を顕現させる要件のひとつなんです。だから勿論神社とかでそれなりの処理をしたものの方が効力は強いでしょうけれど、形さえだいたい合っていればなんとかなるものです。今この中に感じている存在くらいなら」

 佳奈美はうんうんと頷いた。

「なら撤退なのです。残念ながらここでこれ以上色々やるより、用意を揃える方を優先した方が正しいのです」

「という訳でしょうが無い。頼りたくない人に頼るとするか」

 先輩はスマホを取り出した。

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