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こちら学園探検部 ~別名指輪物語、正確には『ハーレム王と指を指される僕と変人女子高生達の輪による同好会の物語』~  作者: 於田縫紀
第2部 二つの塔 第3章 二つ目の塔

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第51話 思わぬ救世主

 そんな訳で、いや何がどうしてそんな訳なのか正直良くわからない。

 でも結果として食事の準備が始まってしまった。

 鍋は神流先輩が持ってきてくれた大型のフライパン。

 ブランドは裏に『HOK●A』と書いてあるだけで不明。

 でも鍋本体が厚めでしっかりした焦げ付き防止もある。

 木製の柄もなかなか使いやすい太さだ。

「先輩、料理をしないという割にはいいフライパンを使っていますね」

「それは母の趣味だ。親が色々作る分子供は何もしなくなった」

 なるほど、よくある話だ。


 まずは生麺を茹でる用に水を大量に入れてゴトクの上に置く。

 それをガスバーナー二本を使って加熱。

 そしてもう一方でつけ麺のつゆの準備。

 小さい深いフライパンに挽肉とネギの青い部分を入れて炒める。

「いい感じに肉の匂いがするのですよ」

 というあたりで麺についてきたつけ麺のたれと出汁と脂を投入。

 水で薄めて沸騰すればこっちは完成だ。


 一方大きい鍋は沸騰に時間がかかっている。

 麺が大量なので湯がくお湯も大量だから。

 それでも実験用強力バーナー二本の威力のおかげだろうか。

 つゆが出来た頃には沸騰が始まった。

 そこで麺を投入、投入、投入、投入、投入、投入。

 後半の二人前×二袋は入れた後にちょっと後悔。

 まずは最初の八人前で様子を見て、足りない時に追加すれば良かった。

 でもそんな後悔は無視する事に決定。

 箸で麺をほどきながら茹でる。

 お湯がまた沸騰しだしたのでガスバーナーを一本に。

 さらにそれも弱火に。

「もういいだろ」

 というところで消火。

 用意しておいた片手持ち式のザルで一気に湯切り。


 予想通り麺が多い。

 多すぎる、絶対余る。

 そう思いつつも流水で麺を洗って。

 ザルの下に鍋を置いてそのまま安置。

 つゆを丼容器に入れて麺を取り敢えず2人前程度盛って入れる。

 煮玉子とかハムとかメンマとかネギを投入すればとりあえず完成だ。

 そんな感じで全員の前に置く。

「これ、何気に麺多くないか」

「いっぱいおかわりできるのですよ」

「足りないよりはいいですわ」

 という一年女子二人の戦闘的意見。

「いただきます」

 昼食を開始する。


 味そのものはちゃんと美味しい。

 ほぼレシピ通りに作ったから当然だ。

 追加した挽肉もいい感じで味を出している。

 そんな感じで最初は評判がいい。

「やっぱり作った方が美味しいですわ」

「弁当よりやっぱりこっちの方がいいのです」

「それは確かだな」

 なんて感じだ。

 でも正直僕はこの一杯で充分満腹になりそうだ。

 これはヤバいかなとちょっと思った時だった。


 いきなり扉が開いた。

 何だと思って思わず注目。

「あら、皆さんお昼ですか」

 同好会の顧問で担当でこの部屋の管理者だった。

 つまり小暮先生だ。

「あれ、先生。ワンゲルの合宿は」

「今終わって帰ってきたところです」

 そう言えばそんなものか。

「本当は本日もう一本沢を攻める予定だったのですけれど。生徒の方から頼むからもう勘弁してくれと言われてしまったもので。

 ですから朝食を食べて撤収、そのまま帰ってきたんですよ。

 ところでそういう訳で私、お昼まだなのです。そのつけ麺、私が食べても大丈夫でしょうか」

「どうぞどうぞ。ちょっと多めに作りましたので」

 神流先輩がいつになくにこやかにそう勧める。

 なので僕は空いている丼にささっと皆と同じ感じで麺を盛って、ついでにちょっと余っているハムとメンマを載せる。

 煮玉子は一人一個で買ったから盛れないけれど。

 もう一つ丼を取って汁を盛れば完成だ。

「すみません。先生なのに生徒にお昼御飯をたかる感じになってしまって」

「いえいえ、どうぞどうぞ」

 絶対余るからそれ位はかまわない。


「その代わりと言っては何ですが、一件お願いしたい事があります。先生はこれから自宅に帰られるんでしょうか」

 先輩がよそ行きモードで先生に尋ねる。

「ええ。急病等があると困るから生徒の保険証関係の書類を車の中に入れておいたんです。それを取り敢えずここに置いて、それから帰ろうと思ったんですけれど」

 確かに先生は書類入れを持ってきている。

「それで誠に申し訳ないのですが、食べ終わった後、ちょっと車で乗せていって貰いたい場所があるのですが宜しいでしょうか」

 あ、なるほど。

 先輩の意図が理解できた。

 見ると佳奈美も雅も先生の方を見ている。

 口を出さなかったのは先輩の意図を見抜いていたからだろうか。


「勿論かまわないですわ。それではいただきますね」

 先生は何でも無い事のように言って、そして食べ始めた。

 かなりお腹が空いていたらしい。

 一気に麺をかっ込む。

 よし、これで懸案事項が一気に解決した。

「やっぱりこっちの同好会は御飯が美味しいですね。

 ワンゲルの方も今回は生徒に任せたんですけれどね。カレーの野菜が生煮えだったり朝食に時間がかかり過ぎたり大変だったんですよ。そういう意味ではここは上手ですよね。拘りすぎないところとか」

 そんな事を言いながらも先生、結構食べるのが早い。

 それに気づいたのだろうか。

 佳奈美と雅が食べる速度を一気に早めた。

 これは残ったおかわり用の麺狙いだろうか。

 とりあえず僕は残った自分の分を食べるだけに専念する。

 最初は余るかと思ったので少し多く取り過ぎた。

 僕自身は一・五人分位がちょうどいいようだ。

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