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こちら学園探検部 ~別名指輪物語、正確には『ハーレム王と指を指される僕と変人女子高生達の輪による同好会の物語』~  作者: 於田縫紀
第2部 二つの塔 第3章 二つ目の塔

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第50話 現実逃避

 翌日九時二十分過ぎ。

 僕らは学園の最西部、グラウンドCの外れまで来ていた。

「これを登るのはさすがにヤバいのです」

 目の前は思い切り崖だ。

 崖でも岩ならまだ何とか登りようもあるだろう。

 ただこの崖は土だの砂だの、そんな感じで構成されている。

 下手に登れば上から土砂が崩れて生き埋めになりそうだ。

「ここからは無理そうですね」

「そうだな。少し回ってみるか」

 という事で崖に沿って南下してみる。

 崖は大体北北西から南南東という感じの方位で続いている。

 そして登れそうなとっかかりの見つからないまま。

 僕らは学園の端近くまで辿り着いてしまった。

 後には理工学大型実験棟Bが見える。

 そして左はもう学校の塀だ。

「これは無理だな。なら逆側も回ってみるか」

 という事で今度は崖に沿って北上。


 五分後、同じ様子のままグラウンドBの西北端まで到着。

 崖は同じ様子で続いている。

 登れる様子は全く無い。

「これは学内からは無理な感じですね」

「そのようだな」

「折角鍵も出来たんですけれどね」

 そう言って雅はプラスチック製の鍵を撫でる。

 今朝方佳奈美が3Dプリンタから取り出した鍵だ。

 プラスチックの割には硬く頑丈そうな感じである。

「仕方ないので一度理化学実験準備室(ぶしつ)に戻るのです。パソコンで地図と衛星写真を確認したいです。電波塔がある以上、必ず業者か何かが入れるアプローチがある筈なのです」

「ああ。それが確実だな」

 という事で僕らはこのまま理化学実験準備室(ぶしつ)に戻ることになった。


 そんな訳で理化学実験準備室(ぶしつ)

 いつものパソコンを皆で囲んでいる。

 画面にはグーグルアースと国土地理院の地形図。

 塔までの進路を探索中だ。

「道は一本しか無いようだな」

「尾根の反対側に回るので結構遠いのです。学校からだと片道十キロ近く歩く必要があるのです」

 佳奈美の言う通りだ。

 電波塔まで道らしきものは確かに存在した。

 国土地理院の地図で点線になっている。

 グーグルアースでも何となくわかった。

 緑が切れて道らしき状態になっている。

 しかしその道に入る場所が学校から大分離れている。

 学校からだと一度街まで出て、そしてずっと西へ回り、そこから更に北へ回って最後に川沿いに東に向かう。

 それでやっと目標地点に向かう小道への入口だ。


「タクシーでも呼びますか」

「ここまでタクシー呼んでぐるっと回ってか。結構かかりそうだな」

 確かに。

「取り敢えず地図と写真は出力しておくのです」

 佳奈美がそう言ってパソコンを操作した。

「この小道そのものは五百メートルも無いのですけれどね」

「バス等は無いんでしょうか」

「この学校から出るのがネックなんだ。休日ダイヤだと朝九時の駅行き便の後は午後五時まで無い。向こうの林道入口の方も似たような感じだ。コミュニティバスのバス停が五百メートル歩けばあるけれど、もう行く便は十五時過ぎまで無い。帰りは十六時三十分便があるけれどさ」

「なら明日の朝一番のバスで学校を出ましょうか。バスを乗り継いで林道入口まで行ければそれでも……」

「残念ながら乗り継ぎは不可能なのですよ。駅まで出たらタクシーですね。向こうからの帰りのバスは一時間待ちを我慢すれば学校から五百メートルのところまで接続するのですが」

「つまり何とかして行ければ大丈夫という訳か」

「帰りは崖の上からロープで、はやっぱりあの状況だと無理ですよね」

「おそらく斜面を削り取った後、雨や地下水で柔らかい地層がえぐれたのですよ。だからあんな崩れやすそうな感じなのです。実際崩れた後があちこちにあったのです」

「つまりはおすすめしないという事だな」

 詰んだ。

 つまり、

  ○ タクシーか何かで林道入口まで行く

  ○ 途中区間でバスを使って残りタクシーで林道入口まで行く

  ○ 十キロ以上歩いて林道入口に行く

しか無いという事か。


「よし、決めたぞ!」

 神流先輩がそう力強く言った。

 何か名案でも思いついたのだろうか。

「タクシー代を出す決心がついたのですか」

 佳奈美の台詞に先輩は首を横に振る。

「いいや、現実逃避だ。ちょっと速いが朗人、メシの用意!」

 時計は十時三十分過ぎ。

 ちょっとどころか大分早いのではないだろうか。

「あ、でもここでちょっと頭を冷やすのもいいかもしれませんね」

 えっ?

「補給は重要なのですよ」

 えっ?えっ?

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