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こちら学園探検部 ~別名指輪物語、正確には『ハーレム王と指を指される僕と変人女子高生達の輪による同好会の物語』~  作者: 於田縫紀
プロローグ 旅の仲間~正しくは『幸か不幸か集まってしまった高校生活という旅の仲間』

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第5話 地獄の住民登録届

 マッドサイエンテストの私室。

 理化学実験室はまさにそんな雰囲気だった。

 ずらりと並んだ薬品庫。

 クルックス管や泊電検知器や電流計や電圧計等々の物理実験資材。

 人体模型に天球儀まである。

 なんというか、取り敢えず佳奈美が好きそうな部屋ではある。

 物が多いので入れる人数は八人程度。

 ちょっと大きめのテーブルを囲む形になる。

 ちなみに九人目は人体模型の隣に座ることになりそうだ。

 だからきっと定員は八人。


「ちょっと物が多いけれど、慣れると悪くない部屋なのだよ」

 そう思うのは頭のネジが歪んだ人だけだ。

 僕は少なくとも暗い時間にここにいたいとは思わない。

 なお佳奈美はウキウキで薬品庫を物色している。

 ここの薬品庫、危険な事に鍵がかかっていない模様。

「危ない薬品を作ろうとか考えるなよ」

「RDXなら作っておいた。だから使いにくいTATPとか合成するなよ」

 ん、先輩今何と?

「わかったのです。今日は観察だけにとどめておくのです」

 ちょっと混乱しながら状況整理。

 うん、僕は何も聞かなかった。

 聞かなかったことにしよう。


「ところで学園探検部っていうのはこの学園を探検する同好会なんですよね」

「その通り、決まっているじゃないか」

 うんうん。

「このまだ歴史が新しい学校の何処にそんなに探検するような場所があるんですか」

「よくぞ聞いてくれたなワトソン君」

 そう言って神流先輩は起動しっぱなしのパソコンを操作する。

 なにやらエクセルファイルのようだ。

「例えばだ。

  ○ 全部の視線を辿ると1点に集中する各所の銅像

  ○ 電気水道の共同溝とされているが不明部分も多い地下道

  ○ 何処にも入口が見当たらない時計塔

なんてところがメジャーかな。うち以外にも調べているサークルがある」


 いきなり怪しい情報が飛んできた。

 薬品庫から佳奈美が興味津々という表情ですっ飛んでくる。

「それは本当なのですか」

「ああ。ある程度調査結果は公にされている」

 神流先輩はそう言って画面をブラウザに切り替える。

 何やら図面が表示された。

「例えば地下道。ここまでは探検済みだ。私と先輩二人で確認した場所もある」

「その先輩は?」

「卒業済み。二人とも目黒区駒場で青春を謳歌しているようだ。もう田舎はこりごりだというメールがあった」

 その大学なら色々お誘いも多いだろう。

 この田舎で失われた分の青春をせいぜい取り戻してもらいたい。


 さて、画面の方には地下道の地図らしきものが現れた。

 メインの通路は南北方向2本、東西方向2本。

 大学校内の講義棟A、講義棟Bを中心に井桁型に広がっている。

 そして井桁の左方向に進む2本には色の違う通路が接続されている。

「その色違いの部分がコンクリ壁ではなく岩盤になっている部分だ。その先は不明。色々と危険な障害があってな。迷わず進んで帰る為には時間と装備が必要だ」

「冗談じゃないですよね」

 神流先輩は悪そうに笑う。

「残念ながら事実だ。どうだ、遊び甲斐があるだろう」

「確かに、なのです」

 佳奈美はうんうんと頷いている。

 非常にまずい事態だ。

 佳奈美、完全にその気になっていやがる。


「この地下道、何処から入れるのですか」

「この部屋からも入れるのだよ。底の入口の床板、蓋があるだろう」

 言われてみると四角い金属枠の蓋のような物がある。

「そこから地下共同溝へ侵入可能だ。この地図のH3地点に出る」

 H番号は高等部の下を通る通路だ。

 地図だと井桁の左右方向へ走る南側の通路に出る事が出来る。

「下の探検は思ったより時間がかかるし準備も必要だ。だから今すぐは無理。

 だがそのうちわかっている処まででも体験させてやろう。

 そういう訳でまずは入会届だ。書いていけ」

 先輩はそう言ってクラス名と番号、名前の欄がある紙を2枚取り出した。

 その紙が悪魔の契約書に見えたのは僕の気のせいだろうか。

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