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こちら学園探検部 ~別名指輪物語、正確には『ハーレム王と指を指される僕と変人女子高生達の輪による同好会の物語』~  作者: 於田縫紀
第2部 二つの塔 第3章 二つ目の塔

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第47話 不明な地下通路

 そこは理化学実験準備室の下と同じような空間だった。

 幅二メートル、高さ二メートルちょっと位の通路。

 右側に電線らしき線とかパイプだとかが前方向に伸びている。

 しかし建物と同じ方向では無い。

 建物に対して直角な方向、つまり真南に向かってのびている。

 ちなみに反対側はここで行き止まりだ。

 電線とパイプは斜め上に上がり、北側上にある小さな穴へと入っていく。

 この穴はせいぜい高さ二十センチ横四十センチで人が入れそうな大きさではない。


「ここで朗人に頼みがある」

 照明のランタンを置いて神流先輩が言う。

「何ですか」

「肩貸せ。一応上の蓋を閉めておこう」

 えっ。

「ここだと私の身長でも上まで届かん。でもあと30センチちょいだ。肩車なら余裕で届く」

 有無を言わさぬ感じだ。

 まあ先輩はいつもそうだけれど。

「ここはそれなりに人も通るだろう。文句を言われるとは思わない。でも閉めていつも通りにしておいた方が問題は少ない、そう思わないか」

 確かに先輩の言う通りだ。

 そんな訳で僕は仕方くその場にしゃがむ。

 先輩は何のためらいもなく首回りに脚をかけてきた。

 股の内側が容赦無く顔を挟む。


「よし、ゆっくり上げてくれ」

 触れる部分の熱さを感じながら僕は膝を伸ばす。

 下に雨具のズボンを着ているがその下の服装はぴっちりしたスパッツ。

 だから何か凄く生々しい感触を感じる。

 柔らかいと言うよりしっかり締まった先輩の太ももの感触を。

 先輩は平気なのだろうかと考えて思いなおす。

 間違いなく何も気にしていないだろう。

 気のせいかちょい甘ずっぽい匂いがしているような感じさえする。

 いやこれは絶対気のせいだろうけれど。

「いいぞ、じゃあ下ろせ」

 という訳で再び膝を曲げる。

 先輩の脚がやっと僕を離れた。

「いいぞ。これで上もいつも通りだあと帰るときはまた頼むぞ」

「はいはい」

 空返事という奴だ。

 実際僕の心臓はまだドキドキしている。

 顔色が暗くてバレないのが救いだ。


 地下道の造りは完全に理化学実験準備室の下と同じ感じだ。

 きっと同じ時期に同じように作ったのだろう。

 つまり学園創立の際に。

「これは間違いなく時計棟を目指しているのです」

「そうですね。きっと時計塔にもこれで入れますわ」

「それなら本日だけで謎二件解明だ。順調だな」

 そんな事を言いながら歩き始める。

 僕はヒューム値測定器に目をやる。

 ヒューム値は一・〇のまま変わらない。

 化け物と出くわす可能性は低そうだ。

「少しずつ下っているかな、この地下道」

「そんな感じなのです」

 そう言いながら僕らは歩いて行く。


 そしてほぼ同じ造りのまま地下道は終わりを迎えた。

 行き止まりの手前に上方向へのらせん階段。

 鉄製でごっつい非常階段のような造りだ。

 上方向は階段のせいで見えない。

「ここはきっと時計塔なのです」

「そうだろうな」

 佳奈美の言葉に先輩が頷く。

「銅像の視線を辿ったらここに辿り着いた訳か。やはり偶然ではないだろうな」

「早速上ってみましょう」

 雅も積極的だ。

 先輩も頷く。

「そうだな。朗人、念の為ヒューム値を確認してくれ」

 僕はちらりと測定器を確認した。

「一・〇で変わりありません」

「よし、なら行くぞ」

 という事で階段を上り始める。


 窓が一切見当たらないので真っ暗なままだ。

 一番強力な光源は先輩が持っている電池式ランタン。

 でも階段のせいで僕のあたりまで光はあまり届かない。

 戦闘の先輩と僕とはらせん階段半周以上離れているから。

百円ショップで買った三百円ヘッドランプの灯りは心許ない。

 微妙に後ろ方向が不安な感じで後に続く。

 常にヒューム値を確認しているので化け物は出ないだろう。

 それはわかっているのだけれど。

 階段はけっこう長い。

 もう何周しただろう。

 上るペースが少し落ちてきた。

 つまり先輩が疲れてきたという事だろう。

 そして当然佳奈美も。

 雅はまあ体力特別製だけれど。

 ちなみに僕もちょい疲れ気味。


「あとどれ位なのですかねえ」

「GPSも効かないからな。よくわからん」

「エッシャーのだまし絵の階段を上っているような気がするのですよ」

 佳奈美その冗談はやめてくれ。

 でも確かに全く変化が見られない。

 何も無いコンクリ壁のままだ。

「時計塔の高さはどれくらいでしたっけ」

「文字盤のところで約三十メートルなのです。1階あたり三メートルとして十階分と、あと地下の低さが加わるのです」

 疲れている割には佳奈美、その辺なかなか冷静だ。

「一階分階段を登るのにどれくらいかかるだろう」

「普通はせいぜい二分です。でもここはらせん階段だし暗いので、時間が余分にかかるのです」

 そんな感じで延々と階段を登る。

 速度もかなり落ちてきて……

 そしてやっと変化が見えてきた。

 少し明かりが上方から漏れている。


「やっとゴールなのですよ」

「そんな感じですね」

 声の調子で佳奈美と雅の体力差がよくわかる。

 ちなみに先輩も肩が上下しているのをみると大分お疲れ気味。

 僕自身も雅より先輩や佳奈美に近い立場だ。

 あたりは少しずつ明るくなり、そして階段は遂に終わった。

 円形の鉄板製足場がらせん階段の周りを囲んでいる。

 そして階段の終わりと反対側の場所からはしごが上に伸びていた。

 明かりはその上の一方向から漏れている様子だ。

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