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こちら学園探検部 ~別名指輪物語、正確には『ハーレム王と指を指される僕と変人女子高生達の輪による同好会の物語』~  作者: 於田縫紀
第2部 二つの塔 第3章 二つ目の塔

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第45話 視線の行方

 食事終了後、佳奈美が印刷したA3サイズの校内詳細図を広げる。

「実際には誤差がある程度あると思うけれどな。こんな感じだ」

 神流部長が分度器と定規を使って一本ずつ線を引いていった。

 当初の噂と異なり六本の線は一箇所では交わらない模様だ。


 まず一番東にあった虎門と辰門の間の像。

 次に東にあるカフェテリア裏手のいこいの広場東側にある像。

 丑門付近にある像。

 理工学研究棟Bの東側にある像。

 この四つは測定誤差を考えれば概ね学校中央部の時計塔の方向を見ている。

 しかし西側にある二つの像。

 つまり乾門付近にある像と理工学研究棟Bの西側にある像。

 この二つは明らかに別の方向を向いている。

 視線の方向は学園西側のグラウンドCの先にある崖の上だ。


「この像二つは別のものを指していると考えていいのでしょうか」

 雅がそう言って首を傾げる。

「それとももっと延長すれば一点で……という事は無いですよね」

「ユークリッド空間の平面では無理なのです。厳密には地球は歪んだ曲面。なので地球を何周かすればそのうち全部が交わる点も出るかもしれないのですが、それは考慮の外に入れて良いと思うのです」

 佳奈美らしくてわかりにくい表現だが意味は伝わる。

「なら視線を一本ずつ辿れという事は……大変そうだな」

「とするとやっぱり像を四つと二つに分けるしか無いのでしょうか」

 僕と雅はいい案を思いつかない。

 という訳で自然と視線は佳奈美の方へ。


 佳奈美は頷いて口を開く。

「二つだけ別というのは変だと思うのです」

 やっぱり佳奈美、何か考えていやがったようだ。

 待ってましたという感じが微妙に感じられる。

「あと追加で言うと、測定誤差を無視すれば最初の二つの像と次の二つの像。これは微妙に違う処を見ているような気がするのです。

 具体的に言うと最初の像二つは大学部の人文教育棟本館の中央付近。

 次の二つが時計塔を向いていると感じるのです。

 場所は近いですがこの二つの指している場所は別だと私は思うのです」

「確かに二つ、二つ、二つずつの方がわかりやすいかな」

「そうですね。一本一本を辿っても特に何か変わったものがあるような感じもしませんし」


 さて、問題はその後だ。

「ところで視線の方向がわかったところで、次はどうしましょうか」

 そう、問題はそこなのだ。

「簡単なのですよ」

 佳奈美が自信たっぷりな感じで口を開く。

「将来進むべき指針なのですから、今見つけたポイントに実際に行ってみるのです。崖の上と時計塔そのものは行く方法を考えなければならない。つまり人文教育棟本館の中央付近を徹底して調査するまでなのです」

「そういう事だな」

 神流先輩が頷いた。


「午後は人文教育棟本館から調査スタートとしよう。装備は特に無いが地下道に入るかもしれん。念の為地下道装備を各自背負っておいてくれ。他に必要そうな物は私が適当に持っていく」

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