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こちら学園探検部 ~別名指輪物語、正確には『ハーレム王と指を指される僕と変人女子高生達の輪による同好会の物語』~  作者: 於田縫紀
第2部 二つの塔 第2章 基礎力向上実践合宿

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第36話 孤独な戦い……誰も信用出来ない

 さて、料理に関しては誰も信頼できない。

 そして今回一番の難関は炊飯。

 更に先生が持ってきたガスバーナーは今回1個だけだそうだ。

 そんな訳で僕は作業方針と指示を出す。

「先に御飯を炊いてから麻婆豆腐を作ります。雅と佳奈美はサラダチキンをもみほぐして、ナイフで切っておいて下さい。棒々鶏用です」


「まな板と包丁は何処でしょうか」

 小暮先生はまず自分のウエストポーチから折りたたみナイフを取り出す。

 スイスアーミーマーク入りの赤い奴だ。

「これが包丁代わりね」

 そう来たか。

 更にザックの背中部分からベニヤ板を取り出す。

 今ガスの下に敷いているのと同じ物だ。

「背板。これがまな板代わりです」

「何か衛生的に微妙な気がするのですが」

 佳奈美だけで無く雅も頷いている。

 僕も全くもって同感だ。

 でも先生は確信を持って言いきった。

「登山ではこれが普通です」

 本当なのだろうか。


 さて、買ってきた米袋と鍋を持って僕は炊事棟へ移動。

 二キロの米袋の半分を投入。

 一キロが確か七合だからちょい多すぎるかもしれない。

 でも余れば明日のスープに入れるまでだ。

 適当に研いで、最後に手首を使って水を計って入れる。

 そして皆のところへ戻って、ガス点火。

 微妙に不安定なので軍手を借りて鍋を支えたまま炊飯開始。

 実はこの日のために予習として僕は寮のキッチンで三回炊飯に挑戦した。

 それもわざわざ使いにくい薄いアルミ鍋でだ。

 その実験結果とネット情報で掴んだ炊飯の奥義、それは水蒸気の量と音の質。

 要は水分が残らず沸騰し焦げる寸前にまで持っていけば何とかなる。

 始めチョロチョロとかは一切無視だ。


 そんな訳で最初から最強に強火。

 沸騰しようが強火。

 水蒸気の質が微妙に変わったところで弱火にする。

 さらにプチプチ音が弱まったところで消火だ。

 この時の微妙に焦げたような匂いも恐れてはいけない。

 蒸らせばなんとかなるものだ。

 という訳で蒸らし中の炊飯鍋は横に置いて放置。


 今度は麻婆豆腐の番だ。

 これは簡単、ちょい水を入れた鍋に麻婆豆腐の素を入れ沸騰させ、豆腐を入れる。

「適当な箸はありますか」

「登山では荷物を減らすため食器は1人1本のスプーンだけです」

 了解だ。

 弁当を買った時に余分に入っていた割り箸を使おう。

 それにしても小暮先生の『登山では』は本当なのだろうか。

 よほどストイックな登山をしない限り違うのではないだろうか。

 そう思いつつ割り箸で適当に豆腐の大きさを崩してかき混ぜて。

 最後にとろみ付けの粉を水で溶いた物を投入。

 全体にとろみがつけば完成だ。

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