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こちら学園探検部 ~別名指輪物語、正確には『ハーレム王と指を指される僕と変人女子高生達の輪による同好会の物語』~  作者: 於田縫紀
第2部 二つの塔 第2章 基礎力向上実践合宿

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第29話 東京の沢で朝食を

 ちょっと歩いて橋を渡り、広くなった処で先生は青いビニールシートを広げる。

 工務店なんかが使っている業務用っぽい奴だ。

「どうせ沢登りすると濡れるんだけれど、最初ですしね」

 つまりこれはピクニックシート代わりか。

 皆でその上に座って朝御飯となる。

 周りは正に森のまっただ中という感じ。

 横には沢が流れている。

 なかなかいい環境だ。

 いかにも自然という感じで。


 さて、弁当を食べながらちょっと気になった事を聞いてる。

「ところで何故、わざわざ出かけていって東京の沢なんですか。いや、確かにここはいいところです。でも他にも有名処は色々あるようじゃないですか」

「ああ、それはね」

 先生は大きい唐揚げを丸呑み状態で食べてから説明してくれる。

「確かに丹沢とかの沢も有名ですけれどね。南関東の山は中央線あたりを境にね、南側はヒルが出るの。私はそれが嫌いで。

 だからもっぱら奥多摩側に来るんです」


「うわあっ」

 雅が心底嫌そうな顔をする。

「大丈夫、ここにはまずいないですから。あと奥多摩の沢の方が丹沢より水量が多いというのもありますね。私はそれで奥多摩の沢が好きなんです。あと大学があるのが多摩だったせいも大きいですわ。結局近くて数多く来ているから、その分色々知っていますしね。

 中でも一番来ているのがここ、海●です」

 なるほど。

 目の前の体力系女子を育てたのがここの沢という訳か。


「去年のワンゲルで行ったのもこの沢なのですか」

「あれは大雲●沢。ここよりは難しいけれど、それでもリーダーさえ確かで少人数限定なら初心者でも大丈夫な場所ですよ。自然も奥深くて人も少ないし。私の大好きな沢なんです。

 でもいつもの私の山行のつもりで計画をたてたのが失敗だったですね。それで昨年はちょっと厳しすぎたかな、と反省していて。

 だから今回は大学時代の新人歓迎沢登りと同じコースにしてみました」

 ほっと一息。

 それなら多分大丈夫だろう。

 それにしても皆、朝からなかなかごつい物を食べている。

  ○ 先生は大盛りからあげ弁当

  ○ 神流先輩はスパゲティとサンドイッチと野菜サラダ

  ○ 佳奈美はビッグロースカツ弁当

  ○ 雅に至っては男の大盛り弁当という、ハンバーグだの唐揚げだの

   てんこ盛り弁当

 ちなみに僕は

  ○ サンドイッチ一個とおにぎり一個(明太子)

で全てだ。

 でも普通は朝食なんてそんなものだろう。

 ここの女性陣が普通だとは思いたくない。


 まあそんな大食漢の朝食が終わって。

「それでは車で装備を準備しましょう。楽しい訓練の開始です」

 そう先生が宣言した。

 それが楽しいのか苦しいのか、この時の僕にはまだわからない。

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