表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/70

第14話 お試し探索開始

 その後ケーキとアイスとフルーツめちゃ盛りを持って佳奈美と雅が戻ってきた。

 結果再び大消費合戦が始まる。

 そしてやっぱり神流先輩は手伝ってくれない。

 それでも三人で協力して何とか食べ残し無し状態まで片付けた。

 おかげで動くと逆流しそうな状態だけれども。

 そんな訳で店からタクシーを呼ぶ。

 もう駅まで歩くのすら辛かったからだ

 学園まで何とか無事帰ってこれた。


 でもその件については言いたい事が色々ある。

 例えばタクシーで女子三人男一人なら僕が前席だろうとか。

 でも先輩が我先に前席をキープ。

 そしてぐったり状態の佳奈美と雅には後席中央は危険な気がした。

 だから少し動ける佳奈美を後席奥へ押しやり、僕が中央、雅が左側に座る。

 そしてタクシーに揺られること約二十分。

 なかなか苦しい時間を過ごさせていただいた。


 自分が食べ過ぎで吐きそうなのはまだいい。

 問題は佳奈美と雅が容赦無くこっちにもたれかかってくる事だ。

 佳奈美はまだいい。

 せいぜい僕の腹に横倒しになってぶつかってくる程度。

 結果奥の胃の中身が逆流しそうになり口を押さえる程度だ。

 これはまあ苦しいが何とか耐えられる。

 問題は雅、彼女がもたれかかると思い切り胸の感触が肩に伝わってくるのだ。

 柔らかくてそのくせ妙に触れた部分が熱く感じる。


 これはまずい。

 ただでさえ食べ過ぎで苦しいのに生殺し感覚まで加わる訳で健全な青少年には非常に辛い。

 自分の心臓の動悸が胃袋を刺激して二重に辛い。

 結果タクシーを降りた僕はもうボロボロ状態だった。

 それこそ全方位色々な意味で。

 外目にもよほど酷い状態だったのだろう。

 寮に入るとき思わず寮監の先生に心配されてしまった。

 こういう事態はもう勘弁して欲しい。

 そう思いながら自分の部屋に何とか辿り着き。

 そしてベッドに倒れ込む。


 ◇◇◇


 さて休日でもこの学校は朝から開いている。

 図書館や大学部等もある関係だろうか。

 昨日の今日で全然爽やかではない土曜日の朝九時ちょうど。

 僕らは昨日購入した探検グッズを装備して理化学実験準備室に集合完了した。

 ちなみに佳奈美は昨日購入した銀玉鉄砲も装備している。

 残念ながら購入を阻止できなかった一品だ。

「さあ、地下帝国でも異世界でもどんとこいなのですよ」

「今回はお試し程度までだがな」

 そう言って神流先輩は床の蓋を開ける。

 下は真っ暗だ。


「帰りにここを上るのが面倒だから、こういう物を用意してある訳だ」

 先輩は薬品棚の下の隙間から長い木の棒を引っ張り出した。

 よく見ると縄ばしごになっている。

 長い木の棒部分を穴の上に引っかけ、縄ばしご部分を下に垂らす。

「これで準備完了だ。私から行くぞ」

 そう言って先輩は両手を穴の両側にかけ、一気に下へと降りていった。

「さあ、次は誰だ」

「私が行くのです」

 そんな感じで佳奈美、雅と降りて最後に僕だ。


 降りてみると思ったより広い空間だった。

 幅二メートル、高さ二メートルちょっと位の通路。

 右側に電線らしき線とかパイプだとかが前後方向に伸びている。

「ここはまだ地下道と言うより建物の地下だけれどな。それでは行くぞ」

「その前に、ここの出口、このままにしておいて怒られないんですか」

 ちょっと気になったので聞いてみる。

「大丈夫だ。別に学校側から怒られた事は無い。そもそも立ち入り禁止とは書いていないからな」

 神流先輩のいい加減な返事。

 それならまあいいか。

 そう安直に考え、僕も佳奈美や雅の後を追って地下道を歩き始めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ