日常が変わったその日から。
いつもの場所、いつもの夕日、いつもの香り、いつもの風景、でも、俺の横にはいつもの彼女の笑顔は、、、、、、「疲れたよ、恵子。もう意味わかんないし、ごめん。」俺はフェンスに登り夕日の中に身を投げ出そうとした。
〜 過去1〜
物語の初めはいつも、ありがちな日常。
「竹中翔!」「はぁーい。って、え。?」俺は竹中翔、鷹野高校という進学校の3年だ。いつもテストは学年で五本の指には入れるくらいなのに。「えっ、65点って。。」「どーした?なんかあったのか竹中?点数、低くないか?」そう言って俺の顔を覗き込むようにしてきたのは担任の町田先生だ。「いえ、べつに。」「そうか。また次がんばれよ!!」そういうと先生は名前を呼ぶのを再開した。
放課後俺が向かったのは落ち込んだらよく行く、豊中ビルの屋上だった。階段のフェンスが壊れていて、そこから屋上に上がることができる。いつものように「はぁ。」俺はため息をつきいつもの夕焼けを眺めていた。「竹中君?」「。」振り返るとそこには、クラスは違うが顔は見たことある程度の女の子が一人立っていた。「もしかして私の名前知らない。?豊中恵子だよ!」「あぁ、豊中?なんでここに?」「えー。ここが私のお父さんのビルって事しらないのぉー。」「えっ、そうだったんだ。」すると彼女は少し微笑み、「で、なんでここにいるの?」と聞いて来た。「実は点数悪くてね。。落ち込んだらここに来るんだ、夕日が綺麗だし!」「そうなんだ!!でも、絶対に私の方が点数悪いよ笑笑。25点だよ?笑」そう言うと、彼女は俺の横に座った。
〜過去2〜
幸せはいつもの日常。
「好きです!付き合って下さい!!」夕日の前に立った俺と、恵子、出会ってから約3ヶ月が経っていた。お互い悲しいことがあるとかのビルの屋上で会い、夕日が消えるまでの短い時間を楽しく過ごしていた。
「はいっ!私こそ、お願いします!!」そういうと、恵子は俺の胸の中に飛び込んで来た。「恵子!いつまで経っても恵子のことが好きだよ!!命より大切だからな!!」
その日は初デートの予定を決めたり少し前の思い出話をしたりと、とっても幸せだった。
その日、俺は家に帰ると恵子とずっとメールでやりとりしてたのを覚えている。
〜過去3〜
大事な出来事がおきる日常。
その日は初デートの日だった、そういえばこの時なぜか不安になったのを覚えてる。
しかし、デートが始まると楽しくてそんなこと忘れていた。「ごめん、翔ちょっと待っていて!トイレ行って来るね!!」そういうと、恵子はトイレに姿を消した。「痛っ。」急な頭痛がして、俺は思わず頭を抑えた。しかし、それはすぐに収まった。
「お待たせー!!」笑顔で帰ってきた恵子。そのあとは楽しいデートのはずだった。
「ごめん。私帰るわ。」そう恵子が言い出したのは、恵子がトイレに、行き帰ってきてから五分後くらいだった。「えっ?なんで?」そう聞いた俺に対して恵子は幽霊でも見たかなように顔を真っ青にして「ごめん。」という言葉を残して帰っていった。
俺の中でまた不安な気持ちが芽を出した。
その夜恵子は死んだ。。
殺された。。
「もしもし、警察です」俺の家にはその夜電話がかかってきた。「はい、もしもし?」「竹中さんですよね?実は、数時間前、豊中恵子さんが殺害される事件がありまして。凶器の包丁からあなたの指紋が検出されたんですよ」