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唯一の友達
ヨシエ『ちょっと~。瘡蓋大丈夫?』
学校来てないけど大丈夫か、心配しての連絡だった。
ヨシエが心配してくれて嬉しかった。
話を聞くと、どうやら、担任がわたしの家に家庭訪問した翌日に全校集会が開かれたようだった。
そこで、校長先生からいじめに関する説明があり、ホームルームの授業で、なぜ私が学校に来なくなってしまったのかを徹底して調べることになったそうだ。
複雑な気持ちになった。
でも、少なくとも親友のヨシエから心配されていて、学校全体でいじめをなくそうとしていると聞いて嬉しくもあった。
電話の最後にヨシエ自身が代わりに苛められていないかを聞いてみた。
ヨシエは『ううん、大丈夫…』と言っていたが、その声からはいつものヨシエらしさを感じとることができなかった。