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チェーンソーの不協和音
明らかに母が押す呼び鈴ではないことがわかった。
私を追いかけ回した黒服だ!
次の瞬間、チェーンソーの音が聞こえる。
ドアの鍵を強制的に切るつもりだ。
「キャー誰か助けてー!」と悲鳴をあげようとしたが、黒服に家にいることが気付かれて、何をされるかわからないことを考えたら、なにも言えない。というか、巻いたはずなのに黒服は何故わたしの家を知っているんだ?
わたしは二階のトイレに駆け込んだ。
ポケットには携帯電話。
「ウィーン、ウィーン、キーコー カッチャ バタン!」
ドアの隙間に強引にチェーンソーを入れ込み、ロック毎切断した音
奴はドアを蹴り、中に入ってきた。
うわぁ、どうしよう。
一階から荒々しく大きな音が聞こえてくる。
二階のトイレにいても聞こえてくるくらいの、家具やらなんやらを押し倒す音も聞こえる。
怖いよぉ...
きっとわたしを探しているに違いない。
そうこうしているうちに黒服が足音が近づいてきている。
もう絶体絶命だ。




