八方塞がりの私
私の校舎は新校舎と旧校舎がある
休み時間になると友達のいない私は誰にも苛められない楽園を求めて
旧校舎二階のトイレにこもることにしていた
外はどしゃ降り
わたしはトイレのなかで安堵する
10分でもこの場所にいれることが微かな幸せのように感じるのだ
しかし、安堵の時間はそう長く続くことはなかった
静寂な場所で、校舎の屋根を太鼓のように打ち付ける大雨の音に混じって近づいてくる足音と声
耳を研ぎ澄ますと、私は自分自身に危険が来ていると察知する
その音は複数の足音に加え、身震いするほどの不快な声が混ざり不協和音を奏でている
近くまでやって来たかと思えば、いつの間にか声が聞こえなくなった
ホッと一息着いた束の間、バケツ一杯の水がザバーっと私の真上から降り注がれた
上をみるとエリカがわたしを嘲笑しながら、
『み~つけた 笑』
といいながら、満面の笑みでサンポールの液体を振りかけてきた
悪夢の始まりである
その後、上から汚物を投げ込まれ、白い私のシャツはみるみる間に茶色に染まってしまった
早くこの場所から立ち去りたいが、エリカの手下たちがドアを塞いでいる...
八方塞がりのなか、チャイムがなったと同時に彼女たちは立ち去った
一つだけ救いがあるとしたら今回はかさぶたを剥がされることはなかったこと
しかし、私は安息の場を知られてしまい、これからのことを考えると涙が止まらなかった
いじめられることよりも、自分の居場所がなくなることの辛さに絶望を感じた
この日、わたしは初めて担任に何も告げず、傘もささずに茶色の服装のまま自宅に帰った
その日、死のうと考えた
もう、生きていくのは辛い...
無理して生きる必要はない...
悲しむ人なんていないだろう...
でもどうやって死のうかな?
痛くない方法で楽に死にたいな...