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悪の化身
マリコは、抵抗する気もなくその場に立っている。
『ほら!』
エリカが叫ぶと、ミズキとトシエが両脇を抱え出した。マリコの口には使用済みのナプキンが咥えられていた。
『私のこと、嫌いなんでしょ?』
マリコは恐怖のあまり震えている。顔を小刻みに震わせている。
『ふん、お前が最も苦しむところを見たいんだよ!』
『私のこと嫌いな奴はいじめたくなるの』
真っ赤になっている脇の下と太股を執拗に打ち付けている。
『ウッーッ、モゴモゴッ』
『てめえ、何言ってるのかわかんねーんだよ!』
『バシィー!』
旧校舎のなかをこだまする。
ミズキもトシエも、エリカの忠実なしもべと化していた。絶対に服従しなければならない犬になっていた。
マリコの手の甲や背中もアザだらけになっており、その部分に何度も竹刀を振りかざしていた。目の前にある光景は地獄だ。
正直、あのボイスレコーダーは罪だと思った。
それ以上にエリカの行為は人間としてあるまじき行為だ。
いや、エリカは人間ではない。悪の化身だ。




