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 静かに泣ける場所。愛美のお気に入りの場所は、功労おじさんと遭遇した場所として、何度も聞かされていた。実際に行ったことは無いけれど、場所は解る。(……場所が解るのに、今まで行かなかったのは……、愛美の大事な場所だから、……遠慮していた)


 ―-けれど、我慢なんて出来そうにない。今直ぐにでも愛美に会って、……家に来てくれていたのに会おうとしなかったことを謝りたかった。


 ―-(……実際はそれすらも建前の気持ちなのかもしれない。今直ぐにでも愛美に会いたい気持ちが強かったから)


 **


 ……それに、愛美に泳ぎでは負けたけれど、運動は得意だ。走ることも嫌いじゃない。軽く身体慣らしだと走っていたら意外に朝の空気が清々しくて気持ちよかった。


 とんとんっと地面を軽く蹴りながら走る。橋の辺りを越えずに横道に入り込むと、自然の木がアーチ状になっている場所があって、朝の光が木の葉の間から差し込み、幻想的な空気を作り上げていた。近くに川があり、水飲み場があるからか、涼やかな鳥の声が聴こえる。


 そのまま、二股の木の横を回るように通り抜けると、途端に広場に出る。入った途端に目を奪われた。

 其処は、一面の青い草花で覆われていた。


 ……確かにこんな場所なら、誰も来ない上に静かで、愛美に似合いの場所のように思えた。


 ―-功労おじさんに似合うかどうかは知らないけどな。


 座れそうな大き目な石を見つけて寝転がる。


 ……今日は、愛美、来ねえのかな……。


 もしかしたら俺の勘違いで、流石の愛美も毎日走ったりはしないのかもしれなかった。……まぁ、思いつきで来てしまった自分が悪いのだから、と少しがっかりしながらも、そのまま目を閉じる。


 静かな雰囲気と鳥の声にいつしか眠気に誘われて


 


 

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