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 俺が、布団の上で、ぼうっとしていると、階段から上がってきたばあちゃんが、控え目に声をかける。朝ごはんを食べるか、との問いに俺は、頷きだけ返して。


 田舎のばあちゃん家に俺が来て数日たった頃、元気いっぱいに愛美と駆けまわっていた俺を、目にして道路脇で声をかけてきたのは、暫くぶりに見る、親父だった。すごく残念で愛美をちらちら見ながら、あとで行くという俺に、愛美は気を遣ってくれて、私は用事があるからまた明日!と言って俺を親父の車に押すようにして乗せた。バイバイと手を振る愛美を目にして、俺もバイバイと手を振り返す。


 親父が、愛美を見ながらボソッといい子だな……、と口にして、俺も、そうだろ?っと胸を張った。


 少し疲れたような雰囲気が気になったけれど、親父は、俺を車に乗せて、暫くは世間話を続けて……そうして、凄くためらいがちに静かに口にした。


 「……敏郎、母さんが、家を出ていったんだ……もう帰ってはこないかもしれない……お前には、選ぶ権利がある。……父さんと母さん、どちらと一緒に今後暮らしたいか決めなさい」


 一瞬、何を言われたのか解らなくて、俺は混乱する。


 ——確かに母さんは、……何もしない人だったけれど、俺は、母さんが好きだった。


 ……母さんが家を出ていったという言葉の意味がつかめなかった


 


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