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小麦色の彼女の温かな体温が、俺を必死に包み込んで、俺は、このまま息が止まってもよいと思う。
——そうすれば、彼女は、……居なくなったりしないのだから……。
必死にしがみつくようにして、俺は離さないようにとするのに、いつの間にかその俺の腕は、彼女からすり抜けて、俺は、投げ出される。……彼女が居ない世界へと。
””
「はっ、がっ、はっ……」
いつ、目が覚めたかも認識出来ない程、薄い酸素。俺は、気づけば、のどを知らず知らず両の手で、無意識に締め付けていたようだった。
ぼんやりと霞む視界。……そこは、先ほどまでみていた夢の中と繋がって見える程に、色がなく、薄い空気の世界に見えた。
——俺の世界は、彼女が居なくなって、こんなにも灰色だ、
たまらず、布団の上、頭を抱えるようにして蹲る。
……嗚咽をこぼさないように息を殺すだけで精一杯だった。
……まだ明けきらない早朝の薄闇が
まるで、あの海の中の色と同じに見えて、ぐっと喉を詰まらせる。
嗚咽を止めても、涙がとまってはくれなくて、俺は、ただただ、蹲るようにして、声を殺していた。
――空気が止まったかのような、朝の闇の中で。




