70.銀河鉄道の夜(2)
結果的には、俺は、銀河鉄道の夜にドハマりした。
何故か知らんが、
>「ではみなさんは、そういうふうに川だと云いわれたり、乳の流れたあとだと云われたりしていたこのぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。」先生は、黒板に吊つるした大きな黒い星座の図の、上から下へ白くけぶった銀河帯のようなところを指さしながら、みんなに問といをかけました。
という先生の言葉から、もうすでに引き込まれていったのだ。
(賢治が残した銀河鉄道の夜の原稿は実は、一つではない。俺が目にしたのは、今思うと他の稿と混ぜたつぎはぎ感が否めないが、それでもその時の俺には衝撃で、そして、俺は、賢治の世界に一瞬で引き付けられたといえる。※初期形第一次稿、初期形第二次稿、初期形第三次稿、最終稿)
俺は、賢治の世界に、一瞬で惹きこまれた。そして、何故だかわからぬままに、ジョバンニに感情移入し、そして、俺は、カンパネラにも感情移入をすることになる。
俺は、気づけば、泣いていた。何故泣いているのかもわからずに。
いつしか俺は、物語の世界に引き込まれ、そうして、そのまま、気づけば眠ってしまっていた。
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