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5.勉強すること(3)~好きになる為には

 「は……?」

 

 僕は、驚いて、素っ頓狂な声を上げる。僕の声に、不貞腐れるようにして、田邉はほんの少し、顔を歪めた。……なにか、とても不本意なことを言っているかのようなそんな雰囲気で、僕から、顔を背けるようにして、背を向けてしまったから、僕には、田邉の着ている黒いツナギの背中と、田邉の耳の上で切った短めの髪と、うなじしか見えない。


 田邉は、


 「……っだから、お前の声が初めて、聴こえた日のことを思い出していたんだよ!……どうせ、お前はいつものように俺のことを馬鹿にするんだろうけどな、……昔の自動車たちに明確な意思みたいなもの、無かったんだろ?……なら、いつからそれが始まったのか、知りたいだろうが。今の世界でも、自動車には意識があると言われていて、実際に学んだとしても、”自動車の声が実際に聴こえる奴はそう多くないから……”自動車に意識が存在するなんて、思ってない奴もたくさんいるんだ……俺に、お前の声が聴こえた日のこと、俺が覚えていたってなんも不思議じゃねえだろ……」


 そう言った。まるで、否定される前に予防線を張ろうとでもしているかのように、言い訳みたいにそう口にして。


 

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