48.絡み合う必然の波長
幼い頃の私は、パジャマ姿のまま、傘を白い乗用車の彼女に掲げながら、必死に口を開いて。
あの日のことを誰にも言えなかった……あまりにも、哀しすぎたから、心の奥に隠したささくれのひとつ。
「……あなたに、……篠部さんに、ずっと言いたかったことが、あります」
「……っ私がっ、私がっ、全てっ、初めにっ、あなたを、惑わせたっ、からっ、!……っ私がっ、全て、っ悪いんですっ、ごめんなさいっ、ごめんなさいっ!」
幼い頃の私は、そのまま、地面に蹲って、ずっとずっと泣き続けて。
……そうしていたら、彼女はーー白い乗用車の彼女は、
「……小百合ちゃん、私こそ、ごめんなさいね。泣いてくれてありがとう……」
……そういったきり、声を発しなくなって。
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「……私が、自動車になった彼女の声を最後に聴いた言葉がそれでした。その後、私は、ずっと自動車の声が聴こえていなかったんです。聴こえ始めたのは、丁度、今から3年前……から、でした」
田邊さんは、はっとしたように、私を見つめた。
「……関係はあるかは解りません。……でも、もしかしたらと思って、だから。ゆうくんが意志を持ったのは丁度今から3年前の夏、だったと田邊さんからお聞きした時に、私、引っかかっていました」
「……もしかしたら、私は、田邊さんとゆうくんが話せるようになるためのトリガーの役割をするために、田邊さんと出会わされたのではないでしょうか……」
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