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45.思い出の場所

「……さて、もう話してくれるんだろう?あいつの前では言いづらかったか?……今の話、君の話だろ?」


 私は、田邊さんから、そう指摘を受けて、顔を俯けた。


 この場所は、百合姉さんと来た場所だ。そこを……まさかこんな形で、誰かとここに来ることになるなんて、少し前までは、思いもしていなかった。……思い出したくもない場所だったから。過去に閉じ込めた場所。


 下に流れる清流はあの時と同じ、とても澄んだ色をしている。


 「……はい。……あの話は、……また、意識を失う可能性のあるゆうくんの前では話せなかった。……すごく考えて、……でも、話すことを諦めました。……私は、ある方に誘拐されて、ここに来たことがあるんです」


 予想通り、と、言ってよいのかな、優しい田邊さんは、凄く辛そうな顔をする。

 私は、手すりを持ち、階段を慎重に下りながら、話を続けた。

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