表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
43/116

43.お互い様

彼女は、じっと下に顔を俯けている。彼女の瞳の影が強まったように思う。


 僕は、何故だか、とても不安に思えてくる。……彼女は、何故、こんなに暗い瞳をしている?


 「女の子は、ある日、写真を大事そうに見つめるその方を見つめて言いました。『百合姉さん、もし、幽霊を見れたり、それに憑かれたりする人間が、目の前に居るとしたら、百合姉さんは、どうしますか?』その方は、大きく目を見開いて、瞳を輝かせます。彼女はなにも口にしなかったけれど、彼女の瞳を見て女の子は、彼女の気持ちを解ってしまいました。『僕、なってあげましょうか?あなたの弟さんに』」


 小百合ちゃんは、そう言った後に、田邊の方を向いて。彼女がじっと見つめていると、田邊は、困ったように、小百合ちゃんに目を合わせて。


 「……僕は、君を責めたりしないよ。……なんとなく、解っているつもりだ。君がここに行きたいと言った理由、……僕と、こいつと共にここに来なくてはいけなかった理由」


 そうして、田邊は、ぽんっと、小百合ちゃんの頭に軽く手を乗せた。


 「……だから、君は、そんなに今にも、泣きそうな顔をしなくたって良いよ。……僕の過去だって、大概なものだし、お互い様だ。さあ、もう少しで、君が行きたいと言った場所に着くよ」


 田邊は、車の僕を、崖に広くつくられた駐車スペースに止めた。そこからは、小さな滝が見える。奥の方に下に降りれる階段があり、その下には、綺麗な清流が流れていた。清流には、随分古びたつり橋が掛かっている。


 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ