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13.言葉が通じた日 (3)
「昨夜、未明、基線市で行方不明になられていたサキ ミコ さんが、佐柄市の油見川に浮かんでいるのが発見されました。尚、遺体のどこにも損傷は見当たらず……警察は、自殺とみて捜査しています。自殺の原因などは……」
車の身体の僕も田邊も、ぎょっとして、田邊は、慌ててラジオを止めた。なんとも微妙な空気が流れる。佐柄市の油見川といえば、この場所で、ドンピシャだったからだ。
田邊は、やっと落ち着いた様子の助手席の彼女を安心させるように、できるだけ怖がらせないように……と、気を遣ったのだろう、何とか話題をそらそうとしたのか、困ったように言った。
「は、はは……、ここ、えーっと、僕、ひとりじゃなくて良かったかな……。君は、……」
彼女は、そっと手を伸ばすと、田邊の頬に触れた。
田邊は、びっくりしたようにかたまる。……彼女の細い指先は、びっくりするほど冷たかったようだった。ふるりと、田邊は震える。




