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 短い夏休みの期間の間、心境の変化や、感情の浮き沈みがありすぎて気づきづらかったのだが、俺は、気づかない内に背が少し伸びていて、気づいたばあちゃんに喜ばれたりした。……気持ちの面では、少し、落ち着いた、のかもしれない。……落ち着いたというよりも、早く自立したいと思うようになった。いつまでも子供のままでは、自らの環境すら自由に出来ない。……その事実が本当に歯がゆく悔しく思えたから。


 ……他は、自分がガキだったせいで、不意にしてしまった軽はずみな行動のせいで、愛美と何も話せなくなったことも、後悔があったけれど、それ以上に後ろめたかったのは、愛美を傷つけてしまったのではないかと思えてならないことだった。

 

 ―-彼女は俺を心配して、毎日家まで様子を見に来てくれていたのに。


 ……そのお礼もまだ出来ていないまま、優しい彼女に酷いことをしてしまった自分。


 その気持ちは大きな影になって俺の心の奥をふさぐように沈んだ。……そういったこともろもろで、俺は、見た目はあんまり変わんねえかもしれないし、内心の口調は悪いままだけれど、……外見は、物静かで暗いやつに見えるようだった。……というより、周りに以前以上に関心が薄くなってしまった。


 ……その当時の俺の一番は、愛美でしかなくて、その彼女を傷つけ、絶交までされてしまった俺は、気持ち的には死んだも同然だったから。


 無関心に、愛美が好きだった賢治の読み物を読んでは、夜は、重たい天体望遠鏡を抱えて高台で天体観測が日課になって


 

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