土下座!
「......」
今、私は自室で本を読んでいます。
穏やかな日で、とても心地良い...はずなのですが......
ガクガクガク
そう。侍女2人の震える音が部屋に響いてるのです...それも、毎日......
もう限界です!これ以上、人に怯えられるのは私が耐えられません!こうなったら、土下座してでも、怯えないようにしてもらわないと!
「あ、あの。どうか、お願い致しますから、怯えないでくださいませ...」
「「ヒッ!」」
「どうか!お願い致します!そろそろ限界なのでございます!何でも致しますので、お願いします!」
それはそれは、もう、見事な土下座をしたと自負出来ます。そして、こんなに大きな声を出したのは、前世を含めてもいつぶりでしょうか。そして、一国の王女が侍女に頭を下げると言う大事件をしてしまったと、わかってはいますが、もう、そんな事どうでも良いのです!
「ひ、姫様!お止めくださいませ!私共のような下等な者に頭を下げてはいけません!」
「いえ、これだけは譲れません!」
ガチャ
「......」
バタン
弟のエリックが突然、扉を開けたかと思うと、この惨状を見て、無言でさらに、ジト目で見てから何も言わず、扉を閉めました。
そして、それを唖然と見てた私達は、「はっ!」と我に帰り、慌ててエリックを呼び止めて、部屋に戻ってきました。
そして...
「それで、何か申し開きがあるのなら、お聞き致します。」
現在、仁王立ちのエリックの前で侍女共々、正座して説教を受けております...どうしてこうなった......
「我を見失い、この様な軽率な行動に出て...」
「「「お騒がせして、誠に申し訳御座いませんでした...」」」
その後、エリックによる説教は数時間に渡り続き、終わった頃には、侍女と共に力尽き、しばらく床に倒れ伏していました......
弟、恐るべし!