表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
※修正予定「銀雪の能面姫」  作者: 翠狐
第二章
29/87

海賊⑦

翌朝、日が昇り始めた頃、エーデル号とフライス号それぞれの甲板に船員を全員集め、拡声魔法の効果があるマイクの前に立った。


「今日、海賊と海戦になることが予想されます。全員が軍人ではないのに、ここまで来てくれた勇気を、私は誇りに思います。

敵はこの海を恐怖で染め上げ、我々の生活を脅かしています。この中には親しい者を亡くした者が居ることも聞いています。

敵は強力です。ですが、無敵と呼ばれるのは今日までです。この船には敵の30倍近い射程を持った大砲がいくつも備え付けられています。もちろん、近接戦闘になっても、砲弾を跳ね返すほど強固な壁も備えています。ですから、恐れず、国民と、そして自分達の生活を守るべく、私と一緒に戦ってください。」


甲板は静寂に包まれ、言葉を一つ一つ、全員が噛み締めて、覚悟を強固にし。


「祖国の民と姉上に勝利を!」


エリックがフライス号から拡声魔法具を使って、声を上げると、船員達はそれに続き、雄叫びを上げて。


「総員。戦闘準備。」


王女の声と共に、船員達は物凄い勢いでそれぞれの配置に着き、戦闘準備を開始して、日が完全に昇った頃に、見張りが船影を発見して。


「船影を確認!数は1!海賊旗を掲げています!」


「大砲、敵を狙え。標的は海賊船のマスト及び、舵。そして、後部船室。」


船体の側面に配置された新型の片舷20門の旋回式15.5cm砲に新型の砲弾が込められる。

従来の砲弾はただの鉄球だが、この新型の砲弾は細長いく先端が尖った形をしている。それによって貫通力が上がり、敵の船への被害が増える効果を得ている。


「姫様。戦闘準備整いました。」


「了解です。右舷大砲、砲撃用意。」


緊張が走り、船上を静寂が包み込む。


「砲撃開始。」


砲撃開始の命令と同時に片舷20門の大砲が、合計2隻、合わせて40門から砲弾が発射され、海賊船目掛けて飛んでいく。

しばらくすると、海賊船より少し先に着弾し、大きな水柱が現れる。

そして、第2射が砲撃準備が完了した大砲から砲弾が、次々と発射されていき、ついには海賊船のメインマストが倒れる。


「海賊船の側面へ接近。船上の海賊を一掃します。」


砲弾を貫通力が高いものから、着弾と同時に発火する物に変え、砲撃を続行しつつ、2隻で挟み込むようにし、大砲の砲身を海賊船へ向けるが...


「え...ほ、砲撃中止。」


甲板に居たのは、海賊ではなく、ホルシュ帝国海軍の軍人で、多くの船員が目を疑った。


「撃沈を中止。敵の拿捕に変更しm.....」


言い終える前に敵から砲撃をくらい、船が大きく揺れるが、金属で出来ていることを、隠すために偽装していた外側の板が吹き飛んだだけで済み、船体は何一つ傷を負っていない。


「こちらの安全確保の為に、敵の砲門を集中砲火。敵の大砲を黙らせます。」


全大砲が海賊船の砲門を次々と破壊していき、側面が穴だらけになり、今にも船が折れて、海中へ沈んでしまいそうだが、何とか海上に漂っていて。


「王女様。これは、どういう事なのでしょうか。」


同乗しているエーデルフライス王国海軍の士官が聞いてきて。


「恐らく、海賊船と言うのは嘘です。帝国の工作船です。恐らく、これで海上航路を滅茶苦茶にし、時を見計らって、自国の海軍によって拿捕。その功績を盾に各国に海上の利権を要求するつもりだったのでしょう。必要に帝国海軍の軍艦が我々を止めようとした理由が分かりました。」


「成る程。確かに、帝国海軍の大規模討伐艦隊が組まれていると聞いています。まさか、自作自演だったとは...」


「とりあえず、敵を捕まえて国際裁判所に突き出してしまいましょう。」


その後は敵の捕縛作業に入り、船内の牢屋に閉じ込め、厳重な警備体制を敷く。

そして、ここ数ヶ月暴れまわった海賊船は、燃え付き、2つに折れ、海中へとその姿を消してしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ