子供会議①
あれから、螺旋図書館で過去に行われた政策、公共事業、改革の記録を調べています。
今のところ、特に、大きな発見が無く、弟も同じ様で、今は協力して記録を読んでいます。
「姉上、何か見つかりましたか?」
「いえ。既に国に必要なモノはほとんど過去に先祖の方々が成し遂げてしまって、これ以上、伸び代が無いように感じますね...」
「僕もそう思います。」
そう。記録を読んでいて感じたのですが、これ以上の発展や発明は難しいほど、この国の伸び代は無くなりつつあり、成熟しつつあるのです。
「はぁ...少し休みましょう。このまま闇雲にさがしていても何も見つかりません。お茶でも飲みながら、考え直しましょう。」
「はい...」
弟と共にため息を吐き、肩を落としながら図書館を出て、歩いていると、弟が突然立ち止まり、思案顔になった。
「...どうかしたのですか?」
「姉上...確か、貴族の子息令嬢にも似たような課題が与えられていましたよね......」
「え、ええ。確か、伯爵と侯爵と公爵位の子息令嬢には、同じ課題が出ている筈です。」
「今度、子息令嬢で集まって、会議を開き話し合うようです。そこで、それに参加してみませんか?」
ほう。子供だけで会議ですか。面白そうです。それに、同世代の知り合いも出来そうですね。
あ...表情......
まあ、確かに課題に関しては有意義ですね!課題に関しては!課題だけ!
「そうですね。私も参加してみたいと思います。」
「では、この件については、僕から参加の旨を伝えておきます。」
「はい。宜しくお願いします。」
「では、また後程。」
さて、とりあえずエリックが進めてくれそうなので、私は話し合いに向けて、少し資料を作っておきましょうか。
どんな内容がいいでしょうか...




