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微熱  作者: 是安
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すれ違い

彼女との関係が変わったのは中学生になってからだった。

僕と彼女は同じ中学に入学した。僕と彼女は中学で一度も同じクラスになることはなかった。

彼女は、入学してすぐ、僕に彼女の夢の吹奏楽部に入部すること告げた。

僕らの中学の吹奏楽部は全国レベルの実力で毎日のように部活があった。

僕は僕で部活には入らなかった。

それから彼女との話す機会は無くなってしまった。

僕の帰り道はクラスの友達と帰るようになり、土日も友達と馬鹿なことをしていた。

彼女は毎日の部活でとても忙しかった。それから、一年過ぎて中学二年になった。

彼女は僕と同じ身長だったけど、いつの間にか僕のほうが軽く超していた。

僕からみた彼女は小柄で小学校から変わらずつぶらな瞳にショートヘアーで相変わらずとても忙しそうにしていた。

僕は一年生の時と変わらずに友達と馬鹿をやっていた。

そんな僕と彼女はほとんど話さなくなってしまった。

しかし、転機がやってきた。

彼女がうちのクラスに入ってきて僕のクラスの女の子と一緒に僕の前にきた。

彼女の声を聞いただけで、あの頃の思い出で胸がいっぱいになった。あの頃の思い出の音のない白黒映画から音がやっとでてきた。そのおかげで、話した内容は少ししか覚えていなかった。

どうやら、僕のクラスの女の子が彼女に頼んで僕を紹介して欲しかったらしい。

彼女は紹介だけして教室を出てしまった。

僕は彼女ともう一度あの頃のように一緒に帰りたかった。

あの色濃い鉛筆でなぞった思い出に一緒に色を塗りたかった。でも、彼女の忙しいことは知っていたから、話すだけでもよかった。でも・・・

何ヶ月が過ぎて女の子が僕に告白をしてきた。

女の子は、彼女と違って髪も長かったし身長も僕と同じだった喋り方も可愛らしかったしテレビのモデルのように細かった。それに、クラス男子にはとてつもなく人気があった。

僕は凄く迷ってからOKをした。彼女のことそう簡単ではないけど、忘れることにした。

彼女のことはそっと遠くから見守るだけにした。それから、女の子との思い出をたくさん作るようにした。

でも、あの頃のように約束しなくても毎日会うということはできなかった。

女の子との思い出は色がはっきりしていた。でも、彼女の思い出のように色濃い鉛筆で彼女に対する思い出で胸がいっぱいになることはなかった。

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