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【プロットタイプ】どうすれば傍に置いてくれますか

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

鏡花の過去の話。

人を殺してもご遺体は残ります。

今の鏡花はそんな感じ。

完全に生ききってはいない。

私の出自は人と大きく異なる。母は見かけこそ普通であるが、中身は非常にファンキー。父は内外問わない堅物だった。

この二人の馴れ初めを私が知るはずもなく、私は独自の白さを誇って生きる事になった。つまるところ、両親の色の濃さを薄め、大人しく生きる事を決めた。

そんな生き方を早々に決めてしまったせいか、人への話しかけ方がいまいち分からなかった。

気の強い子に話しかけようと目を合わせたら、『こっち見んなよ』と言われ、ならば遠目から観察すれば大丈夫だと思えば、またしても『こっち見んなよ』と言われた。だから幼稚園は私にとって結構な地獄であった事を覚えている。

だから私が唯一許された居場所というのは、テレビの前だけだった。どれだけ観察しても、どれだけ見つめていても、誰も私を拒まない。睨んでも来ない。それだけがただ心地良かった。

そしてその中の登場人物が羨ましくて仕方なかった。何でもなく人と会話が出来て、仲良くなれて、遊べて。でも私が其れをしようとしたら、周りが総じて拒むのだ。だから結局、私が出来る事と言えば、テレビの外側から周りを見つめる事だけだった。

転機が訪れたのは小学生に上がった時のこと。引越しをして、私を虐めていた子と別の小学校に進学した時の事だった。

もう、私を虐める者はいない。誰も何も言わない。そう思った時、私にある一つの考えが浮かんだ。テレビの登場人物、人気者、そして其れを地で行く様な母の真似事をすれば、誰も私を拒まないのでは無いかと。一緒に居ても、許してくれるのでは無いかと。

だから一生懸命勉強した。声のトーンはどれぐらいか。甘さはどれぐらいか。表情をすぐに変えるのは難しいから、反応から逆輸入して表情を引っ張り上げる事にした。

そうしたら皆私を拒まないでいてくれた。付かず離れず、決して深い仲になる事はなかったけれど、寄り添うことだけは許してくれた。

でも……その時、私は過去を失ったのだと知った。臆病で、話し方を知らない、内気な子は、自分の手で握り潰したのだと知った。


「鏡花ってちょー面白〜い!!」

「やだなぁ、思っている事を言ってるだけだぜ?」

「見かけ地味なのに、中身めっちゃ強烈なんだもん。すぐ好きになっちゃった」

これが中学の時の何時もの会話だった。

書いてて思ったのが、ダニー・カリフォルニア。

人を殺すノートの主題歌です。

あれ、和訳が格好良いんですよ。


マミーはヒッピー。パピーは警官。

今の鏡花の出自と似てるんです。


そうして真反対かつ、奇抜な二人を見てきて、問題に直面する事もそれなりに多かったから、大人しく生きることを決めます。

それが行き過ぎて、内気でコミュ障な性格になってしまいました。


ほら、幼い頃、内気な子って格好な虐めの的じゃないですか。言い返さないし、逃げちゃうし。

そんな周りの空気も相まって、殻が分厚くなってしまったんです。


でも転機として訪れたのが進学。

知ってる人誰もいない。過去を知る人は誰も居ない。

じゃあ、テレビの中の人気者や、ファンキーな母の様に振る舞えば、虐められないし、誰かと一緒に居られるのでは無いかと考えたんですよ。


だから母よりも若干性格がマイルド。本当にブチギレた時しか母の様な一面は見せません。


でもね、過去を知る人はもう居ない。鏡花さえも其れを無いものとして屠ってしまった。

だからもう、鏡花本来の人格はほぼほぼ死んでるんですよ。

鏡花自身、偶に出る本心めいた一面も、それが本来の人格か分かってないと思います。


そこまでしたから、何の努力もしない。暴言だけ吐いて好きになって貰おうとする。そんな人を強く嫌うと思います。


どっかのアイドルのギャルゲーのCM。

可愛い子たちがどれだけ暴言吐いても言いよってくれる。

そういうの見て『テメェ人間舐めてんのかよ!! 陰キャなら陰キャらしく、陽キャになる努力しろよ!!』って。


虫酸走るくらい嫌いそう。

鏡花自身、好きになってもらう努力の人だから。

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