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 「マリーベル、とある文献で読んだことがあるのですが……


誘拐や監禁など、犯人の拘束下に置かれた


被害者が、長時間犯人と共に過ごすうちに、犯人に対して特別な感情を抱いてしまう状態があるそうです。



もしかしたら、マリーベルもユーリ殿下に対して、いずれ特別な感情を抱いてしまうのではないかと心配です。


それに、アーサー殿下もしつこく迫っているようですし……」




「私がニコライ様以外を好きになるなんてありえません!」



「精神的負担も大きかったと思います、

どのようにしたらマリーベルの気持ちを軽くできるのか考えたのですが……


やはり記憶を上書きするしかないと思うのです。」





「記憶の上書きですか?」



きょとんと首を傾げるマリーベルの姿を見て、ニコライの理性が完全に吹き飛びそうになる。


「そのようなかわいい仕草をされては敵いませんね。一刻も早く帰りましょう神殿へ」


「は、はい」


マリーベルは恥ずかしがりながらもニコライにおとなしく抱き上げられる。


「マリーベル、方時も目を離したくありません!どうか、一緒のベッドで寝ることを許してもらえませんか」



「ええ!一緒の……分かり……ました…」


マリーベルは、この間問いかけられて勘違いしたこともあり、ニコライが単に側にいたいという意味だと受け取り了承する。


「ふふふ、マリーベル、その言葉取り消しは聞かないですからね。覚悟しておいてくださいね」


帰りの馬車の中でマリーベルはニコライから、今までの経緯の説明を受けた。


ロブソン侯爵とポーター侯爵の企てにより、マリーベルが誘拐されたこと、


レイチェル様とジャクリーン様は、父親に言われるがまま加担したこと、


二人はロゼア国の騎士により拘束されたが、すぐに解放されたそうだ。


派手な装いと露出の高い衣装が、斬新で興味を持たれているそうだ。


両国の関係良好の為にも貢献出来ると、二人はアーサー殿下の婚約者候補を辞退して、ロゼア国で婚活するらしい。



自国に帰っても、しばらくは父親達の醜聞で何かしらの処罰が下される。


国としても縁を結ぶ役割を担う令嬢を探さなくてすむので、二人は罪に問われなかった。


マリーベルに誠意を込めて許してもらえるまで謝罪するようにと厳命されただけだそうだ。


マリーベルが不服であれば、私が処分することも可能ですとニコライ様に言われたけれど、あのお二人とは仲良くなれそうな気がしますとお断りした。






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