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「今日は随分積極的ですね、マリーベル、あぁ、本当に、貴方がいなくなって、胸が張り裂けそうでした……あの時どうして一人にしてしまったのかと、悔やんでも悔やみきれません。それに……くだらない嫉妬心から、アーサー殿下配下の護衛を遠ざけてしまった。全ては私の落ち度です……
守れる自信があったのに、不甲斐ない自分が情けないです」
「ニコライ様、ニコライ様は助けに来てくださいました。もう、だめかもしれないと思っていても、私は必ずニコライ様の元で帰るのだと、自分に言い聞かせていました。
私にはニコライ様がいないとダメなのです。
私……あの時……ユーリ殿下に覆い被さられて……死ぬほど気持ち悪かったです。
不敬に問われるかもしれませんが、どうしても嫌だったのです。見られるのも嫌でした。私が触れてほしいのはニコライ様だけなんです!」
マリーベルの瞳からはn一筋の涙が溢れでる。
その涙をニコライは、唇ですくう。
「泣かないでください、マリーベル。頼ってくれて嬉しいですが、ユーリ殿下に何をされたのか詳しくお願いします。
今、ユーリ殿下を見かけたら、殺してしまいそうです。
マリーベル、もう貴方を泣かせたりしません」
ニコライはマリーベルの手を取り口づける。
「確かに貴方の言うとおり、全部に消毒の必要がありそうですね、」
「んんっ!ニコライ様、なにをされるのですか」
ニコライはマリーベルの手を取り、その指を1本づつゆっくりと口に含む。
優しく愛撫するように舐めると、マリーベルの首筋に吸い付く。
「ニコライ様、だめですっ」
妖婉な瞳に見つめられて、マリーベルはドクンと心臓が高鳴る。
一気に体温が急上昇する。
熱を帯びたマリーベルの身体を、ニコライは優しく抱きしめて、唇に口づけを落とす。