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神殿の新体制も落ち着きつつあり、エドワードとフレッドは王宮へと帰ることになった。マリーベルの専属護衛の任が解かれたのだ。


「エドワード、フレッド、今まで本当にありがとうございました。あの、良ければ、これをどうぞ。だいぶ上達したと思うのですけれど、一応お花に見えるでしょうか?」



「感激です」

「ありがとうございます。マリーベル様」


二人はマリーベルが刺繍を施しハンカチを受け取ると、大切に胸ポケットにしまう。

彼らのポケットにはマリーベルから渡されたハンカチが2枚入れられている。


二人ともアーサー殿下には内緒にしようと囁きあっていた。



二人の後姿が見えなくなるまでマリーベルは見送っていた。


「なんだか、寂しくなります。最初はあんなに緊張していたのに、いつもいるのが当たり前になっていて。これからは、扉を開けても二人はいないのね」


「ふふ、そんなに寂しいですのですか?なんだか妬けますね。マリーベル、ならば私と同じ部屋を使うというのはどうですか?」



「な、な、な、ニコライ様。それは、あのっ、まだ心の準備が……」


「おや、なんの準備がいるのです?マリーベルの安全のために、側にいるだけなのに。何を想像しているのか気になりますね」


「ニコライ様!もう、いじわるです、知りません」


マリーベルは頬を膨らませ小走りで部屋へと向かった。


ニコライはマリーベルの後ろ姿を目で追っていた


「ふふ、目に入れても痛くないとは良く言ったものです。可愛いですね、マリーベル。」


では、私は一足先に仕事場に向かうとしますか


ニコライはこの時、マリーベルを一人にしたことを死ぬほど後悔することになる。


この後マリーベルは忽然と姿を消してしまった。

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