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言葉に詰まるマリーベルの様子を見て、庶子に対する偏見と受け取ったニコライ。


「マリーベル様も、戸惑いますよね。私なんかと関わるのは」


ニコライの心に、ほんのりと暗い影がさす。



ニコライ様は、誤解なさっているわ。そうではないのです! 誤解を解かなくてはっ


「あの、ニコライ様。大変、お恥ずかしいことをお聞きしますが、

その……庶子というのは?」


「…」

「…」


恥ずかしそうに上目遣いで問いかけるマリーベルを見て、ニコライの心を覆いつつあった暗い感情が消え去る。



しばらく、お互い魅入られたように無言で見つめ合っていた。

沈黙を破ったのは、ニコライだった。


「━━ハハハ! マリーベル様には、やはり、敵いませんね。


マリーベル様には、無縁のことかもしれませんね。


庶子というは、つまり、第2夫人の子と言えばお分かりいただけますでしょうか?


不義の子も含まれます。


貴族の中には愛人を持つ者もいますので。


邸内に2人の妻がいて、トラブルが起こらないはずないのに。


数年前に母が亡くなって、私は母の実家のハリスン伯爵邸へと移りました。


書類上は、カーギル家の次男ですが、あそこには私の居場所はありません。


ミシェルだけは、普通に接してくれます。

こんな私を、兄と呼んでくれて……。


色々と噂をされていますが、マリーベル様には、どうしても、自分の口から直接お伝えしたくて。


申し訳ありません、自分でも、どうしてなのか、よく分からないのですが……



マリーベル様には、ありのままの私を知ってほしくて。


こんなこと言われても、困りますよね。


自分でも……どうしてこんな気持ちに」


苦悶の表情をするニコライに、マリーベルは心を痛める。


思わずニコライの手に自分の手を重ねて、優しく包み込む。


「ニコライ様、

ニコライ様が、今までどんなにおつらい目にあってきたとしても、私にはどうすることもできません。



けれど、これからのことなら、お力になれると思うのです。

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