15 アーサー視点
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「失礼致します。アーサーさま。
ジャクリーン様がお見えになられました。庭園にお通ししております。」
「あぁ。分かった。」
そうか。今日は茶会の日だったな。
面倒だが仕方ない、さっさと終わらせるか。
我が国には4つの侯爵家がある。
ロブソン家、ポーター家、カーギル家、マーティン家。
マーティン家は心配はない。カーギル家もまぁ、問題はないだろう。
厄介なのは、ロブソン家とポーター家。
何かのきっかけがあれば足元を掬われかねない。
両家は、自分の娘をあわよくば私と結婚させようと目論んでいるようだが。
私の心は、マリーベルだけのものだ。
とは言え、正式発表するまでは公平に扱わなければな。
本日はロブソン家のジャクリーン嬢と、ポーター家のレイチェル嬢との茶会を予定している。
時間を多少ずらしているので、断じてブッキングではない。
まぁ、どこかで令嬢達がすれ違うことがあるかもしれないが。
それはそれで、本性を垣間みるいい機会でもあるし。
彼女達と会う時は、必ず誰かの眼があるように庭園にしている。
決して室内で2人きりで合うことがないように、細心の注意を払っている。
私が、2人きりで会いたいのはマリーベルだけだ。
さて、だいぶ待たせているかもしれないな。
そろそろ行くとしよう。
重い足取りで私は庭園へと向かった