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お読みいただきありがとうございますm(_ _)m

次は夜の22時頃更新予約しています! 宜しくお願い致します

なぜか、逞しい体に抱きしめられているような感じがする。

いやだわ、そんな経験もないのに。妄想ばかりしてどうしたのかしら。


皆さんの前でとんだ醜態を晒してしまった。



目を開けるのが恥ずかしい。 

いっそのこと、このまま気を失ったふりをしようかしら。



あざとい考えがよぎったものの、現実を受け入れるべく、おそるおそる目を開ける。


「!」

「マリーベルさま、大丈夫ですか?」


眼前には心配そうに覗き込むニコライ様の顔。


近い、近い、近いですっ



私はニコライ様に支えられていた。


どうして気づいたのだろう?


私はニコライ様の後ろにいたのに。


あまりに突然のことで、


恥ずかしくて体温が急上昇する。


「マリーベルさま、お顔が赤いですね、熱でもおありなのではないですか? 部屋までお運びします。」



そう言うとニコライは、マリーベルを横抱きにする。


「あの、だ、だ、だ、大丈夫です!」


いったいどういう状況なのか、異性と密着した状態に戸惑い心臓がバクバクする。


私は、とにかく下ろしてくださいと懇願する。


「大丈夫とは思えません。心配なので。

ということで、ビル殿、話は後ほど応接室で。」


ニコライは、マリーベルを抱えたまま颯爽と歩き出した。


「ひぃ」


恥ずかしくて思わず変な声が漏れる。


下ろしてもらうことを諦めて、両手で赤くなった顔を隠すように覆っていた。


「ニコライ殿!マリーベル様にそのように触れてはなりません!我々がお部屋までお連れ致します。その方は━━」




「私がこのままお連れした方が早い」


ビルの言葉を遮るように、振り向いてニコライは射抜くような視線を向けた。


一瞬怯んだビルをその場に残して、

ニコライはマリーベルを連れ去る。



「まぁ、マリーベルさまが抵抗されていないようなので、今回は目を瞑りましょう。こんな事が知られたら、我々の首が飛ぶ。」



不穏な言葉が聞こえて、心配になる。

ニコライさまは大丈夫かしら…


手の隙間からそっと様子を窺う。


「ふふ、マリーベルさま、こっそり見られるのは恥ずかしいですね。どうか、私に寄りかかってください」


ニコライはマリーベルにしか聞こえないように、小声で話しかけた。


ただでさえ距離が近いのに、ニコライ様の息遣いまで感じられる。


耳がっ、耳元で、囁かれてはっ


恥ずかしさから首をぶんぶん横に振って、両手に顔を埋める。


それから部屋に着くまで、ずっと目を閉じていた。


あわあわするマリーベルの様子を見て、くすりとニコライは笑う。



なんだか悪い気はしない。











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