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やり過ぎたヒロイン

作者: 箱崎裕治

私の名前はミーシャ、それなりの領地を治める子爵家の一人娘です。

私は前世の記憶があり、悪役令嬢であるアナスタシア侯爵令嬢の庇護下にある、モブ令嬢の一人です。

前世の記憶を取り戻したのは、アナスタシア様の友人を決めるために、寄り子の令嬢の中で年の近い子供を集めたパーティーでアナスタシア様の顔を見た瞬間でした。

瞬間的に大量の記憶を辿ったために、倒れそうになりましたが近くに居た、アナスタシア様に抱きかかえられて倒れずに済みました。

侯爵家の侍女に付き添われて騎士に抱えられて、我が家から見たら豪華なベッドに寝かせられました。

そこで前世の記憶が落ち着いたら、あるゲームの内容を思い出しました。

前世で散々やり込んでファンブックから公式の隠し情報までネットで読みまくった乙女ゲームの『林檎の実が落ちた時』の記憶が、はっきりと思い出しました。

ゲームは何度もクリアしましたが、私の推しは悪役令嬢のアナスタシア様でした。

アナスタシア様がやったとされる罪は、全て他の令嬢がやった事でアナスタシア様は無実の罪で断罪されるために、アナスタシアルートを探すために何度もゲームをクリアしたものです。

10分ほどで記憶の整理がついたので、パーティー会場へ戻りました。

するとアナスタシア様に心配されましたが、もう大丈夫だと話して安心させました。

そして記憶を辿りながらアナスタシア様と話をして、お気に入りの令嬢の一人に無事になれました。

そしてアナスタシア様の友人の一人になると、前世の記憶を頼りに行動を開始します。

設定ではヒロインの親子は我が子爵家の領地に住んで居るので、話し上手なメイドに頼んでヒロインの噂話を集めて貰いました。

するとどうやら、ヒロインも転生者らしく、将来はハーレムルートを目指して居るようです。

アナスタシア様との交流の合間に従兄弟の天才魔導具職人に、色々とアイデアを提供して新製品をどんどん創って貰いました。

そして15歳になり、アナスタシア様の友人の一人として、学園に入学しました。

学園は高位貴族と市民には高額な教育費を取り、下位貴族は無料で入学できます。

そして母親を亡くしたヒロインも無事に男爵家の父親に引き取られ、入学していました。

アナスタシア様は第一王子の婚約者になっていますが、実は正妃腹の弟である第二王子とは隠れた両思いです。

それを聞いた国王の側室が自分が産んだ第一王子は後ろ盾が弱く、貴族の支持も低いので第一王子を王太子にする為に無理矢理アナスタシア様を第一王子の婚約者にしたのでした。

ここは上手く立ち回ってアナスタシア様の幸せを実現させましょう。

予想通りヒロインは第一王子と、その取り巻きに上手に取り入ったようです。

学園内でもイチャイチャしだしたヒロインと第一王子ですが、婚約者のアナスタシア様は一切気にせず王妃教育を受けています。

私はヒロインと攻略対象者が密会する部屋に従兄弟が完成させた監視カメラを設置しておきました。

その後はヒロインが虐められる場所に監視カメラを随時設置しておきました。

そして密かに魔力検査用の血液を手に入れて、検査に出しました。

壁には映像表示用のスクリーンを学園長の許可を取って設置をしてあります。

スタッフも派遣して貰っています。

そしてイベントが起きる卒業パーティーが始まりました。

パーティー開始直後に第一王子とその側近とヒロインが壇上に上がり大声で叫び出します。

「私は第一王子の名の元に極悪非道な婚約者のアナスタシアを糾弾する事にした」

「アナスタシアはこのように可憐なクレア令嬢に悪辣な苛めをここで発表する」

「まずは嫉妬にかられ、クレア令嬢の教科書やノートを切り裂いたこと」

「2つ目はクレア令嬢を池に突き落したこと」

「3つ目はホール前の急な階段から突き落として殺そうとしたこと」

「全て許しがたいので、第一王子の名によりアナスタシアを国外追放の上、侯爵家にも罰を与える」

そう叫びましたが私が事前に話しておいたので、アナスタシア様は平然としておられます。

私は挙手をして発言の許可を貰います。

「アナスタシアの取り巻きが何か発言があるのか」

「はい、皆様に見ていただきたい物がありますのであちらのスクリーンをご覧ください」

そう言うとスタッフが操作を始めて映像が流れ始めます。

「第一に教科書やノートが破かれた件です」

そう言うとスクリーンにはヒロインが自分で自分の教科書やノートを切り裂くシーンが映ります。

「第二に池に突き落とされた件です」

そう言うとスクリーンにはシーンが変わり、池を見ているヒロインの後ろを、アナスタシア様が通り抜けるとヒロインが自分で池に飛び込んだシーンが映ります。

この頃にはヒロインが騒ぎ始めます。

「第三に階段から突き落とされた件です」

階段を下り始めたヒロインの横をアナスタシア様が通り過ぎますとヒロインが自分から階段を滑り降ります。

この頃には第一王子や側近も騒ぎ出します。

そう言うと新たなシーンを分割してスクリーンに映します。

そこにはヒロインが第一王子や側近と性行為をしているシーンが写っています。

パニックになっているヒロインや第一王子と側近に最後の爆弾を落とします。

「卒業生の血液を検査した結果を公表します」

「まずはクレア令嬢と第一王子様、イクス侯爵令息、クルト伯爵令息、ワルド侯爵令息は全員粘膜感染の性病が陽性です」

そう発言すると全校生徒が驚きますが、一部に顔を青くする生徒もいます。

「更にアーベン伯爵令息にタリウス商会令息も陽性でした」

実家が裕福な生徒にもヒロインは手を出していたので、感染者は他にも居ました。

粘膜感染の性病はこの世界では不治の病のために隔離されますが、我が国では水銀鉱山が隔離施設なので鉱山での強制労働か、娼婦として働かされます。

卒業パーティーは阿鼻叫喚のなか打ち切られました。

そして学園の1年生と2年生、ヒロインの関係者や付き合いがあった全員が血液検査と成り、騒ぎが大きく成りました。

その後、暫くして落ち着いてから国からの発表がありました。

それは第二王子が王太子となり、アナスタシア様と婚約するとの発表でした。

国中がお祝いムードにつつまれました。

その陰で第一王子とヒロイン、側近に数名の生徒は、貴族位や親権を剥奪されて、断種した上で水銀鉱山へ労働者として送られました。

この病気は感染しても、発病まで時間があるのでどうせ5年後には死亡している労働者には影響はないとの判断によるものでヒロインは労働者の娼婦として送られました。

一年後にはアーサー王太子とアナスタシア様の結婚が盛大に行なわれました。

私はアナスタシアさまの婚約中に真面目で誠実な婿養子を紹介してもらい、一年後に結婚する予定です。

私は幸せの中呟きます。

「結局ヒロインの娘は見境なくやり過ぎたのね、性行為を」

指摘があったので病名を隠しました。


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― 新着の感想 ―
[一言] >病名を隠しました 最後の部分で隠れてないのはわざと?
[気になる点] 梅の概念の無さそうな世界で梅毒って具体的な病名を出されると正直ちょっと微妙な気持ちになるので、性病って事にして症例をあげて匂わせるくらいにしておいてほしかったな…と 実際、梅毒に罹って…
[気になる点] 梅毒の病原体はどこから持ち込まれたモノなんだろう… ヒロインちゃんが先天的にもってたのか貴族なる前から食い漁っててもらってきたモノなのか学園入って以降に病気持ちの令息がいたのか… [一…
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