寝起きの熱とドーナツ
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
寝起きの布団が最高です。
何故だか、とあるドーナツ屋のドーナツ思い出しました。
めためたに甘い。
何時ものように共に外に出て、クタクタになるまで歩いて、後は帰るだけ、と言う時に袖を摘まれた。振り返ると女は視線をぴったりと固定して、熱烈な視線を注いでいた。気になって同じ方向を見る。ドーナツ屋が、あった。
「食べたいのか?」
「明日の朝に、胃が凭れる程。君のご飯も良いけど、たまには」
目が輝いていた。夜空に輝く一等星の如く。その様に強請られたら嫌とも言えず、共に中に入る事になった。まぁ良いか......。
買い物は直ぐに終わった。そも、選ぶ必要さえ無かったからだ。女は陳列棚を一つ指さして、店にある全種類が人つづつ入った、一ダース分を丸々購入した。ん......後の事は考えない。
そうして互いに溶け合った日の翌朝。女は逃げ出してはおらず、今日は何時になく甘えて来た。互いの体温を交換する様に密着した後、昨日購入したドーナツを貪る事になった。
朝飯はきちんと食べる側である。和食である事も、洋食である事もある。バランスが取れているとは言い難いかも知れないが、そこまで偏った食事はしていない。故、今日は特例であったりする。女はずっと、嬉しそうだった。ならば良い。
「見て見て、覗き穴」
「食べ物で遊ぶな」
唇の端っこに着いた、砂糖屑を指で取りなが、注意をする。女は悪びれた様子もなく、眼鏡代わりにしたドーナツを口に咥える。両手で持って、小動物の如く。
「今日、よく添い寝してくれたな」
素直に物を言うのなら、大人しく腕に包まれて欲しい。共に温めた布団の中で一緒に一つになっていたい。何時も逃げ出すから叶わぬ夢と化しているが。
「寝起きの熱とね、このドーナツの甘さって凄く似てると思うの。溶けちゃう程甘い。縋り着く甘さ。だから、ドーナツの甘さで胃が凭れれば、我儘言わないかなって。今朝くらいは......良いかなって」
今食ってるドーナツは他の店と比べて甘く作られている。一回り大きい柔らかい生地の上を砂糖菓子で覆っている。漬け込んでいると言っても良いかも知れない。故に、甘い。胃が凭れてしまう程に。寝起きの布団で人間が駄目になる。そんな甘さ。だが――。
「俺は今食ったドーナツと同じ様に、甘さを共有したい」
女の頬袋が止まる。頬に薄紅が乗る。
「今朝ぐらい良いだろ。我儘言え」
「昨日聞いてくれたよ」
そりゃ随分と慎ましやかな。でもその甘さはドーナツだけが知ってれば良い。
本日、恐らく二番手に有名なめちゃ甘いドーナツ屋に行きました。
砂糖菓子コーティングされている方。
寝起きの布団の熱は人を駄目にします。
ドーナツの甘さは胃を駄目にします。
際限なく求める甘さは彼氏を駄目にしてしまうと思ってます。
ならば全て甘さで捻じ伏せれば、中和される。(彼女の概念)
という話。
胃が凭れれば、話す事も、動くことも難しいので。
脳みそ回らないからね〜(ノ*°▽°)ノ
彼女なりの必死の自制です。
布団の中でとろける人間の如く。
スイーツ食べ過ぎて、胃がもたれた人間の如く。
彼に甘える前に、ドーナツ食って満たされる方針。
駄目になって、自制が効く事が分かっているから、朝っぱらから甘えてます。
それでも、際限なく甘えて欲しいのだと。
ドーナツの甘さに溺れるように、我儘を言って欲しいのだと、彼氏さんの主張です。
ドーナツ共に食べる様に、甘さも共有できると良いですね。