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読書感想文の攻略法

作者: 木村薫

あくまで、我が家の攻略法。

他のサイトも参考にしてくださいね。

 

 夏の終わりにやってくるアイツ。読書感想文。感想文は世の中には不必要だ! と言いたいけど、そうではない。必要なんだよね、読書感想文って。

 論点を整理する事、相手に伝える力、表現力、語彙力、2000文字以上は書いてまとめる力。どれもお仕事する時に必要なんだな。

 やりたくない。けど、やらなきゃならぬ夏の課題。


 じゃあ、どうするか? というわけで。今から子どもの読書感想文手伝う大人に、我が家の実際の試行錯誤から、なんとか参考になる事を書こうと思います。何とか、絞り出してみる……けど、他のサイトも参考にしてね。3つぐらいみたら、ホントに必要な事って分かるので、はい。




 初めて感想文に挑む小1から小3を対象とした方法とアドバイス。

 まず、本の選択。どの本で感想文書くか。これが、労力と出来の半分をつくる。

 と言っても、個人差がある。この歳から、読書量も差があるから、向き不向きが出てしまう。

 これが事実。だから、読み聞かせは習慣にして毎日求められるタイミングでってのが、地味に大切で大変。子どもの財産になる。けど大変。子供の持って生まれた性格やらもあるし。一概に言えないけど。 


 で、本を読んできた子は、本屋や図書館行っても自分で読みたい本や興味ある本を、選べれる力がある。ただ、その選択が正しいかは別(笑)。さすがに『ゾロリ』とか『おしり探偵』シリーズなどはエンタメ度が高すぎるので絵で話を伝える部分が大きいのは、さすがに感想文の本としては適してないかな。吹き出しでセリフがあるのとか。

 そうでなければ、低学年は絵本でもいいと思う。『おしいれのぼうけん』『さっちゃんのまほうのて』とかおすすめ。言わずと知れた名作! そして本をあまり読んでなかった子が集中出来る量としては、この辺りはイケると思う。もちろん、話も面白いし、興味を持ちやすい、又は子どもの気持ちに引っかかるポイントが沢山ある。

 本を読んできた子は、『エルマーの冒険』や『こまったさん』シリーズも、ページ量があるけど読めます(128ページ!)。親は不安になるぐらいだけど是非、これをチャンスで挑戦してみると面白い。その子が1日のうちに余裕をもって読める量、てのが目安かな。

 ここで強調したいのは、学校からお薦めされる課題図書は慎重に選ぶ事! 課題図書はねぇ……「大人」は好きかもしれないけど、面白みが、ねぇ…ないんですわ。じゃあ、何で面白くないのに課題図書がお薦めされるかと言うと、色んな事情があるんだけどね……まぁ、ここでは割愛。本人が読んで「面白い!」というなら止めませんが、うん。

 あと、間違っても親が「これにしなさい」は駄目。今まで挙げたオススメは、あくまで「本って何があるの?」という為の目安。この位のページ量で、こんな感じの児童書……という「例えば」のイメージ。もちろん子どもに選ぶ中にあってもいいけど、必ず複数の選択を用意してほしい。だって、大人だってレポート書く時や仕事の本読むのは「どっこいしょ」って気合いるでしょ? 子どもは正直ですから、興味ないのは読めないよ。

 本は絶対、子ども本人に選ばせる。大人は絶対に口出さない!お約束!

 

 では、普段本を読んでない子供はどうするか。

 とりあえず、図書館とか本屋に何度か足を運ぶからスタートするしかない。世の中にはどんな本があるのか、そこを知ることからスタート。表紙見たり、図鑑でもいい。とりあえず、見て、触れる。慣れる。

 それでも、なかなか決めれない子もいるでしょう。そしたら、もう、絵本とかでもいいと、大人が割りきる。付き添う大人と一緒に興味をもっと読めそうな本であればいい。

 最終手段は、映像化された作品かな。先にあげた「エルマーの冒険」はアニメになってたし、「ナルニア国物語」も最初の三作品ほど映像化されてます(ナルニア国シリーズも低学年向きです。三年生なら読めるかな)。本が苦手なら、映像でまず見て、イメージ作って読みやすくするのも、ひとつの手だと思う。邪道かもしれないけど。最後の手段としては、あり。ただ、ハリーポッターは分厚い本なので、低学年には向いてない。高学年向けです。映画みても、あれだけの長さは、内容を把握しきれないと思う。面白いけどね。「精霊の守り人」も高学年向けだと思う。内容的に、思春期の入り口にたたないと難しいかな。


 さてさて。読む本が決まれば、半分出来たも同然です。さっそく読めば良いのだけど、まず一緒に取り組む大人が先に読んどいて下さい。先に読んどいたほうが良いんですよ。 

 何故か。

 読書感想文がスムーズに完成するかどうかは、こどもが最初に読み終わった直後の対応で決まるから。読み終わり、完読出来た喜びと、入り込んでた話から現実に戻る感情の揺れがある時の深いため息をついたら、即スタート! 

 まだ物語に入り込んでた余韻がある時に、すかさず感想を聴き出す!! これが大人の役目。メモ用紙と付箋を用意して、子どもの感想をひたすら聴き出し、メモる! 有能な秘書のように尽くして、メモる! 芸能リポーターの如く、問いただす! 先に大人が話を分かってないと掘り下げれないし、聞きながら共感して言葉を引き出せないんです。

 子どもが面白かった部分や、ドキドキした場面。心が揺れ動いた文章、場面。それらを徹底して掘り下げて聞き出す。「何でそう思った?」「じゃあ、自分だったら、どうなる? どうする?」「なるほどねー」「わかるー!何かそこ変だよねー」などなど共感したりして。先に読んどくと、感想を引き出しやすいのです。(で、感想の内容があるページには番号つけて本に付箋紙を貼っとくと、後で見直す時に便利です)

 もちろん子どもの感想ですから、大人からすれば馬鹿馬鹿しい所もあるでしょう。でも、その子の感想文です。どんなに下らないと思ってもそこを一層掘り下げて欲しい。それが、その子の感性から出た言葉です。

 うちの子、「エルマーの冒険」で書いた時はまさにそれでした。一番引っ掛かった場面が、家出するときにリュックにミカンを何十個と詰めていく場面。「ミカンだけでお腹一杯になるの? 足りないよね? お腹減っちゃうよ」でした。親としては「そこかよ!」と思います。こう、さ、家出に至る決心の強さやら、何か書くべき所があるのにさ、食べ物に興味を持つかな、と。そこじゃないやろ!と。

 ても、あえて「ミカンだけで、空腹を何日まぎらわせられるか」という問題で原稿用紙一枚ほど使った。今思えば笑えます。でも、その時の子どもにとっては大問題だったわけで、それも思い出になってる。食いしん坊の子らしい感想文になったと思います。だから、大人の尺度で感想を変えないで欲しい。子どもが呟いた言葉をそのまま書き留めて下さい。


 さて。読後の勢いで書いた子どものコメントが溜まったら、今度は大人の出番です(低学年なら大人の作業。高学年なら、一緒にやってあげるといいかな)。

 メモ用紙に書きなぐった感想を、どの順で話していくか組み立てる作業です。これは、ある程度の年齢にならないと難しい。話を相手に通じるように話すのって、大人でも難しいから。わからないなら、国語の授業を思い出すといいかな。要約とか、段落分けとか、そういう授業を思い出せばやり易いかと思う。

 良くある手は、主題を先頭にもってくる。感想文の一番言いたかったことを、最初を書き出す。あとは、何故そう思ったか、話の筋にそって組み立てる技。読み手にインパクトを与えられます。でもね、まぁ、話の筋で感想並べてもいいよ。ここまで出来たら、完成したも同然。

 組み立てたら、さらっと接続部分を自然に成らして下書き。誤字脱字に気をつけてチェックしたら、清書しておしまい! (この、清書という作業も子どもにとっては大変な作業。やらせる親も大変ですが、最後の一踏ん張り!)

 全体に言えるコツは、上手くやらなくていいってことかな。最悪、どんな形でも提出日に出せばいいんだと、肩の力抜いて書くこと。賞とか欲しいなら別だけど、提出したら、取り敢えず最低ライン以上は貰える。賞を貰えば、肩書きは貰えるけど、どれだけ役に立つ?何かコンプリート目指すなら必要だけど、普通の学校生活送るなら、取り敢えず提出日にきちんと提出するとこが大事。変に気負わないで、書き終わる事を第一にすると気が楽だと思う。上手く書かなくていい。提出出来りゃあ、okよ。 

 

 というわけで。参考になるかな。あとは、幾つか対象別に本を紹介しときます。役立てばいいなあ。


 小学校低中学年

 『エルマーの冒険』 『こまったさんシリーズ』 『おしいれの冒険』 『さっちゃんのまほうのて』 『若女将は小学生』 『海底二万マイル』 『ナルニア国物語シリーズ』 『はてしない物語』 『モモ』 『かのこちゃんとマドレーヌふじん』  絵本各種(子ども向け哲学の本も早熟な子にはいいかも)


 小学校高学年 中学校 高校もあり

 『精霊の守り人』 『ペンギンハイウェイ』 『ステップファザー・ステップ』 『しゃばけ』 『西の魔女が死んだ』 『カラフル』 『十二国記シリーズ 図南の翼』 『バッテリー』  『鴨川ホルモー』 『有頂天家族』 『プリンセス・トヨトミ』 『ブレイブストーリー』 『天地明察』 『図書館戦争』 『魔術はささやく』 『鹿の王』 『のぼうの城』 『鼓笛隊の襲来』 『8番目の小夜子』 『シートン動物記 狼王ロボ』 『名探偵ホームズ 緋色の研究』 『蒲公英草紙』


 以上は私の偏見による推薦本です。ライトから名作まで、入り乱れてます。対象年齢も、こうじゃないかも。実際に手にとって(電子版などでお試しして)みてください。

 何とか、感想文終わらせて有意義な夏休みが送れますよう。頑張れ!

 


かなーり独断と偏見による方法ですが、少しでも夏休みが有意義に使えますように。たくさん思い出作れますように。宿題も、楽しめますように。

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