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かわいそうな旦那様‥  作者: みるみる
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バチアン王国のその後


まわりを森で囲まれた小さな国、バチアン王国には、昔から様々な妖精伝説が息づいておりました。


そんなバチアン王国の妖精伝説に、最近になって元キュリオス公爵夫人リリアにまつわるあらたな伝説が加わりました。


湖に落とされて亡くなったリリアの事を、神様が哀れに思い、その魂を妖精として生まれ変わらせたというのです。妖精として生まれ変わったリリアは、森の奥深くで妖精達と暮らしながら、大切なリリアの両親やバチアン王国の人々の平和を見守っているのだそうです。


そんなリリアの伝説ですが、実はまだ続きのお話がありました。


なんと、妖精になったリリアの事を妖精王が見初めて結婚したというのです。二人は結婚して、妖精王は妖精界にそのまま君臨し、リリアは人間界に住まう妖精達を統率する妖精女王になったというのです。


リリアと妖精王の結婚式から数年後、リリアの伝説は絵本となり、国中の子供達から親しまれるようになりました。



「‥ねぇお母様、森に行けば妖精女王に会えるって本当?」


王妃様が部屋でお茶をしていると、幼いルイ王子が妖精の絵本を持ってかけ寄ってきました。王妃様はルイ王子を優しく抱きしめると、ふわふわの黄金色の髪を撫でながら言いました。


「いいえ、誰でも会える訳ではないのよ。ごく限られた人しか会えないの。」


「へぇ~、じゃあお父様やお母様は会った事あるの?」 


「あるわよ。」


「凄い!どうやって会えたの?」


「妖精女王から招待状が送られてくるの。そうすると、満月の夜に空飛ぶ馬車が迎えに来てくれて、妖精女王のもとへと連れて行ってくれるのよ。」


「ええ~っ、良いなぁ。僕も会いたいなぁ。」


ルイ王子がそう言うと、王妃様は人差し指を口に当てて、小さな声で囁きました。


「近いうちにあなたにも、妖精女王からのお茶会の招待状が届くかもしれないわよ。」


「本当!?」


「フフフ、本当よ。」


王妃様はそう言って、部屋の窓から庭を見下ろしました。庭ではたくさんのマンドラゴラ達が侍女や庭師達と楽しそうに語らっています。


マンドラゴラのゴラちゃんが、お城を気に入って仲間と共にお城の庭に住みついてしまったようです。


そんなマンドラゴラ達ですが、そのスパイ能力を買われ、国の極秘部隊として活躍しているようです。



一方、食肉植物の妖精チッチは、国境沿いにたくさん繁殖し、国へ侵入しようとする魔物や外国のスパイや暗殺者達から国を守る大役を担っていました。


「食べる物には困らないし刺激的だし、仲間も増えて、最高に楽しい日々を過ごせてるよ!」


とチッチ達は言っていたそうです。


こうして最強の妖精達に護られる事となったバチアン王国は、諸外国の間でも鉄壁の護りを誇る国として有名となり、他国から攻められる事も一切なくなったようです。


バチアン王国は、永久に戦争とは無縁の平和な国となったのです。




王妃様と別れた後、部屋に戻ったルイ王子のもとに不思議なお客様が訪れました。


そのお客様は、開いていた窓から何の躊躇いもなく部屋に入って来ると、ルイ王子を見て微笑み、カーテシーをしました。


ルイ王子は、そのお客様の外見の美しさに思わず見惚れてしまいました。その人は‥


艶々の長い銀髪に黄金の瞳、そして美しい羽を持った小さな女の子でした。


「初めまして、私はアリスです。今日はお母様のお茶会にあなたを招待する為にまいりましたの。」


「‥‥その羽、本物?」


「そうよ。だって私妖精なんだもの。」


「‥‥君、妖精なの!あっ、君のお母様って‥まさか、妖精女王!?」


「そうよ。ねえ、あなたの名前を教えてよ。」


「ルイだよ。」


「ルイ、じゃあ今晩迎えに来るわね。夜になったら王妃様とベランダで待っていて下さいね。」


「えっ、夜?ベランダ?」


美しい妖精のアリスはそう言うとすぐに窓から飛び去って行きました。


「うわぁ‥‥ついに妖精女王と会えるのか。それに‥‥アリス可愛かったなぁ。」


ルイ王子は窓から空を見上げながら、まだ見ぬ妖精女王と、突然現れたと思ったらすぐに去ってしまったアリスの事を考え、思いを馳せていました。



その夜、王妃様とルイ王子がベランダに立って待っていると、空からアリスがやって来ました。アリスは二人の手を取り、また空へと飛び立ちました。


「お母様、アリス、僕空を飛んでるよ。‥ねえ、満月があんなに近くに見えるよ‥‥手を伸ばせば、掴んでしまえそうだよ‥。」


三人で手を繋いで空を飛んでいる間、ずっと興奮しっぱなしのルイ王子を見て、王妃様とアリスは微笑み合いました。


こうして空の散歩を楽しみながら、ルイ王子はこの後に見るだろう妖精の森の幻想的な光景や、妖精女王との出会いに胸を躍らせるのでした。


最後まで読んで頂きありがとうございました。


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