表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

1人目との出会い

初登校から数日たち授業終わりの時間が訪れていた。

今の私の環境はゲームとしては異常で考えていた通りの状況になっていた。

初日に自己紹介をクラス内でしたのだが周りは嫌悪の表情で見てくる人が多数いた。

アメリアに至っては笑顔で拍手をして迎えてくれていた感じは出ていたが内心は関わりたくないのだろうと想像する。

自己紹介にしてもその後の授業に関しても、何も無ければアメリアが私のフォローを色々してくれるチュートリアルのような流れになるはずなのだが、あの出会いのお陰で私に対しては基本的に腫れ物を扱うかのように引いた態度を誰もが取っている。

「最初から嫌われる必要など本当にあったのですか?」

唯一傍にいてくれるハーレイは事前に全部説明してはいるものの、この状況を疑問に思っているようだ。

「いいのよ、こうでもしないと()()()()()()のだから。」

ハーレイにも聞こえるか分からない程の声で呟く。


聖ルチリウム学園のゲームシステムは1年時に色んなフラグをたて、2年次にフラグに沿ったキャラに出会い、3年時にルート攻略が始まる。

つまり普通に動いた場合、攻略の為に使える時間は3年生の1年だけなのだ。

しかし私が目指す未来の為には3年時だけでは圧倒的に時間が足りない事がわかっている。

そのために必要なフラグを短縮してたてる必要があるのだが、ナバーロとアメリアのルートの為に必要なのはアメリアの好感度を下げることなのだ。

ゲームでは2年間で無理やり好感度を下げることでルートに入れるのだがそもそも好感度が高いのは第一印象が良かったからだ。

つまりあの出会いは強制的に1年時でルートに入るための裏技のようなものだった。

ここまでは順調と認識して私は次の行動に移ることにする。


「ハーレイ、わかっているわね。手筈通りに。」

ハーレイに命令をした私は教室を出ていく。

「承知いたしました、お嬢様。」

従者らしくお辞儀をし私とは違う方向へ向かうハーレイの姿を確認した私はとある教室にて静かに待つ。

「ここまでは順調だけれどここから上手くいくかしら?」

一人きりの教室で不安になりながら呟く。

実際は10分も経っていないのだが体感は1時間くらいたった様に感じた頃、教室の扉が静かに開かれた。

「あれ、君は確か…シエラ・アストラージ嬢でしたよね。」

私の姿を見つけ不思議がりながらもその男性はこちらに近寄ってきた。

「えぇ、そうですわ。貴方はえーと…すみません、失礼ですがどなたでしたでしょうか?」

その顔を知らないはずが無いのだが私はとぼけてみせる。

「これはご挨拶遅くなりまして失礼いたしました。僕はナバーロ・ストログラムと申します。」

言葉と共にまるで王子様のような雰囲気で挨拶をしてくれたナバーロに私は内心を悟られないよう自然な態度を振る舞う。

ここは今後の動きのために重要な出会いのため失敗は許されないのだ。

「ナバーロ様ですか…貴方が私をここに呼んだのですか?何か御用ですか?」

まるで何も知らない令嬢の様に演技する私にナバーロは困惑していた。

「えっと、僕も誰かに呼ばれてここに来たんだけれど君ではないって事なのかな?」

質問に対して静かに肯定の頷きをする私を見てナバーロはやれやれという顔をしていた。

「なんだかよく分からないけれど誰かのイタズラのようだね、シエラ嬢お時間を取らせてしまったようで申し訳ない。さっさとここから出ることにしよう。」

教室の扉まで移動し手をかけた瞬間ナバーロは異変に気がついた。

「あれ?扉が…開かなくなっている…」

ナバーロが力強く扉を引くがビクともしない状況に私は驚きを隠せない演技をする。

もちろんこの状況はハーレイに頼んで作り上げたものなので全て私が仕組んだものなのだ。

今のところは想定通りというこの状況を上手く生かす為に私は次の行動に移った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ