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伝説の魔法使いが脳筋だった件  作者: 六分儀・猫茸(ろくぶんぎねこだけ)
一十也=ストーンゴーレム、キープさんになる。
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交易街バルム(改)

慰謝料で懐ホッカホカだし、ちょっくら装備揃えようぜ?

そいから冒険者ギルドで登録して、小金を貯めるぜ?


<表記に付いて>

マリエと二人の時には キープさん

街中&他人が居る時には キープ3(さん)


◆キープ3(さん)&(チョロイン)マリエ

 

 交易で栄える街バルムの朝は早い。露天商を営む者はその準備をし、朝早くに街を出て交易に向かう者たちは荷の積み下ろしで忙しなく。 そして冒険者たちも三々五々と散って行く。

 そんな中マリエに引き連れられキープ3は門番から言い値で買わされたカウベルっぽい鈴をカランコロン♪と鳴らしながら歩いていた。

 最初は街行く人に驚かれていたがカウベルを見ると安心したのか、怪訝な顔で今度はマリエを見ている。

 

 街中の視線を浴びながらマリエが働いている宿屋兼食堂のすみれ亭へと向かう。有耶無耶の内に住み込みで働く事になったけど、玉の輿女(うらやましいひと)が言うように、住と食を心配しないで良いのはありがたい事だとおかみさんには感謝している。

 そんなおかみさんが心配してるだろうと一番に顔を見せる事にしたのだ。ついでにキープ3の部屋もお願いしようかと思ったら「部屋が足りて無いんだからあんたの部屋なら良いよ。食事は・・・要らないみたいだし」と断られてしまった。


 「最近の若い娘と来たら・・・あんなモノ引き連れて帰ってきて・・・心配したんだよ・・・無事で・・・良かったよ、頼まれてたし・・・」ブツブツ文句を言いながらも腹が減ったろうと朝粥を用意してくれた。

 おかみさんホントに喜んでくれてる。やっぱ優しいなぁ。ちなみに無口な旦那は裏方で料理の手伝いや材料を仕入れたりしているらしい。


 昼過ぎまでマリエは部屋で休憩(という名の)昼寝を楽しんでいた。おかみさんの言い付けを聞くようにと命令された僕(=キープ3)は、歪んだ柱を直したり、曲がった看板を直したり、出っ張って危険な釘の頭を叩き込んだりして時間を潰していた。最初は「大丈夫か~ぃ?」と訝しんでいたが、ホントに何でもヤレルと分かったら湯桶の水張りまで任された上に薪割りまで頼まれた。


 仕舞いにはマリエに「譲ってくれないか?」と夫婦で頼み込む始末。


 マリエはもちろん丁寧に断ってたが、僕は有る分全部の薪を割って感謝とお詫びとした。それが通じるとは思わないが・・・喋るワケにはイカナイのでせめてもの心尽くしだ。


 慰謝料として頂いた五人組(ゆうかいはん)のお金は1/3を宿のおかみさんへこれまでのお礼とお使いを果たせなかったお詫びとして渡した。それからマリエは残金の半分を田舎の家族へ送ると言う。

 残ったお金でも装備のどれかは新しく出来ると言うので早速マリエの行きつけの店へと足を運んだ。


 まさか・・・ここまでチョロインだとは僕も思って無かったよ・・・武器と防具の店の無駄に華美な看板の掛った小さいながらも大通りに面した店。出て来た店の人は所謂(とっても)ホストっぽかった。とても嫌な予感がしたんだ・・・品揃えは少なかったし展示してある品はみんな綺麗に磨かれていたけど、無駄に豪華でバカ高かった。どれを選んでも小銭しか残らない値段だった。


 しかしマリエはチャラ男と楽し気に話をして勧めて来る華美なショートソードを買おうとする。

「コレぼくがマリエッチの為に取って置いたんだよ?この倍の値段で買いたいって身なりの良ーぃ旦那さんが来たんだけど~断っておいたよ?」

「な・ぜ・だ・と思うぅ~??」マリエは小首を傾げる(ウン。サマになってて可愛い♪)

「今日のこの日(きみ)の為に~取って置いたんだよ~」

「きゃいぃぃん」(アカン目がハートになってる)

「ガウガウ」(流石にコレはダメなんで口を塞いじゃったよ)

 なんで~?って、目で訴えかけて来る。取り敢えず、(おかみさんが紹介してくれたお店に行こうよ?)と無理矢理連れ出した。


 プンスカ気分のマリエを宥めようと(あそこはぼったくりだ)と囁いたが、聞く耳を持って無いみたいで質素だけど値段も手頃な、その代わり武骨な品々が並んでいたおかみさんの紹介の店も、覗いただけでスルーしてしまった。

 

 「可愛くな~い」らしい。

なんてメンドクサイ!と、普通の感覚なら思うのだろうが・・・彼(キープ3)は女との付き合い方すらマトモに知らないので、こんな些細な事でもハラハラ・ドキドキ出来てしまうこの状況をヒソカに楽しんでいるのだった。


 「仕方ないから玉の輿女(うらやましいひと)が輿入れしたお店の系列店へ行くわ」もう帰るか?と尋ねたらそう返事が返って来た。


 目的の店は菫亭への帰路に有り、先程はスルーしてチャラ男武器防具店へ直行したらしい。


 「ほぅ」思わず感嘆の声が漏れそうになる。その店は質素なものから手頃なもの、式典用の華美な装飾のものと店構えに似合う堂々とした品揃えで先の二店舗を大きく凌ぐ。


 応対した店員もテキパキとしてソツが無い。あれよあれよと数点の武具を出して来てその中から護身用のダガーと魔力を貯められる魔導士用のスティック、革のチェニックとショートパンツとローブとブーツに決めて値段を尋ねる。


 流石に手持ちの金が足りないと諦めかけたのだが、「上の者と相談して参りますので暫くお待ちください」と奥へ消えて・・・ほどなく、手持ちが金が少し残る値段で売ると言うのでお礼だけ述べて相手の気が変わる前にそそくさと立ち去る事にした。


 「あれで良かったのかい?」店仕舞いをしながら店員が奥へ声を掛ける。

「無理を言いました」奥から洗練された仕草で少女が姿を現す。


 「君の頼みならネ」そっと抱きしめて優しく微笑む。熱い抱擁と口づけを交わし店の奥へ

「あの子にも幸せになって欲しい・・・」その呟きは心配と少しの羨望と優しさを多分に含むものだった・・・。


お読み頂いてありがとう。楽しんでいただけたら嬉しいです。



*文章表現が二重になってた部分を削除、内容は変わってません。

*巻割→薪割


しかし・・・私は ~やってる←という『い』抜きの表現が多い。

読み直して気が付いた事(笑)


誤字や文章の重複には気を付けてるつもりでも何かと誤記が有るんだよね~

何回も読み直してるのに(汗)


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