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伝説の魔法使いが脳筋だった件  作者: 六分儀・猫茸(ろくぶんぎねこだけ)
一十也=ストーンゴーレム、キープさんになる。
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チョロイちょろすぎる

ヒロイン現る?

意外と積極的なんですが?

チョロインですか?

◆攫われた少女 マリエ

 

 私から自己紹介するわね?私は交易の中継地として栄える街『バルム』で冒険者をしている【マリエ】。登録して1年くらい経つんだけど駆け出し冒険者の域を抜け出せないで足掻いてるんですよねぇ~。でも、生きてるだけでも良い方かな?とも思うの。


 実際、田舎から来る途中で知り合った3人組のひとり(少年)は初仕事で命を落としてるし、ニ人目の少年は消息不明。もう一人の少女はスッパリ足を洗って、給仕見習いでどこかの宿で働いてるって話を聞いたのが3ヶ月ほどたった後。


 給仕見習いの(むすめ)に一度、会いに行ってみたけど少女はある日突然消えちゃったらしい。別の宿屋へ引き抜かれたんじゃないかって事になってた。

 「仕事の手も足りないってのに!」とおかみさんからエライ文句を言われた挙句に、冒険者家業が暇な時には宿屋を手伝えとまで言われちゃった。



 「おかげで私は冒険者兼宿屋の従業員だよ」 

 昨日のお昼過ぎにお使いの途中で、偶然見かけた件の少女に愚痴る。


 「ごめんねぇ~ でもおかげで寝床も食事の心配もしなくて済むでしょ?」とウインクして軽やかに去って行った。

 なんでも大商人の跡取り息子に給仕姿を見初められて玉の輿に乗ったらしい。

         (爆発しろって思ったのは内緒ネ)

 


 それからおかみさんに頼まれた買い物をしてる途中で尾行されてるのが判ったの。

ホントはお野菜を物色してた時に()()()()的なおじさま?から教えられたんですけどね(汗)


「失礼・・・お嬢さん・・・右斜め後ろ・・・尾行(つけ)られているようですが心当たりは?」サラリと言われてビックリしたのを覚えてる。


 「お・おじょうさま。だ、なんてそんなぁ~」ほっぺた真っ赤にして舞い上がってしまいました。


 「私がアイツの気を引きますから、この先の十字路を左に曲がって路地を進んで下さい」

ニヒルな笑いを浮かべて任せろってサムズアップ・・・なんて素敵な♪


 「あぁ・ハイ!」二つ返事で・・・無垢でした。

 

 言われたままに路地を進んだら、厳つい顔したオッサンが三人

ニタニタしながら待ってました。


「それからの事はあんまり良くは覚えてません」


 日が暮れてから街を抜け出して街道を歩かされていたのですが、途中から気を失って気が付いたらこの小屋に横たわって居ました。


「あなたが・・・助けてくれた?」

「ウン、縄を切ったのもネ」

「仲間割れしたとか、実はあいつ等の雇い主(くろまく)だったとかは無い?」

(なかなか疑り深いな・・・さっき痛い目に遭ったから当然と言えば当然かもなぁ?)


「だったら・・・マリエみたいな素敵な女性をあっさり放置なんてしないよ?」

「・・・そっか・・・確かに気絶してんだからどうにでも出来たはずよね?疑ってごめんなさい。」「助けてくれてありがとう」

マリエの固かった口調が幾分和らいだように感じた。

「誤解が解けたならそれで良いよ」


 「あ・・あの・・・先程から声しか聞いて無いのですが・・・姿を見せてくれませんか?」


最もな話だ、いくらピンチを救って貰ったからと言っても素性が知れないと信用し辛いだろう。


 「いぇ・・・素敵な方だったら()()()()たいなぁ・・・と」頬をこれでもかと染めて言い切った!! 

   

  それは、玉の輿女(うらやましいあいて)に乙女の意地が炸裂した瞬間だったのかも知れない。

 



一十也いとやゴーレム


 神様♪異世界に来て良かった・・・この身体(ゴーレム)じゃ無きゃ・・・

オオカミの如き雄叫びをあげ、勢い転げながらでも入って行っただろうなぁ・・・と、我ながら滑稽な図を想像していた。


 「確かに、マリエ殿の申す事甚だ最も」スゲェぎこちなく返答した。

そうして、即興でカバーストーリーを話して「そう言うワケで今はゴーレム(石人形)の身なのです」と告白した。


 数秒の間があって「驚いたり騒いだりしませんからお入り下さい」と応じたマリエだったが船小屋に入った時には流石に若干引いていたようだ。


 「ほんとうに・・・その身体(ゴーレム)なんですね」なんだか物凄く残念そうに溜息交じりに言葉を吐いた・・・。イキナリ?見限られたか?俺の顔に緊張が走る・・・。


 口をへの字に曲げたかと思うと「元には・・・・戻れないんですか?」


ワカラナイと首を振る


「そうですか・・・私もまだ知らない事だらけですが何とかお力に成れたらと・・・呪われた身体のままでは何かとご不自由でしょ?」と、気遣ってくれる。


なんて心優しい女性なんだろうか? 勝手に評価が上方修正されていく。


 「きっと、この世界のどこかに元に戻る方法が有りますよ。その方法が見つかるまで【キープさん】で良いですか?」(なんだか、年上そうだし・・・キープくんは不味いよね?)


 「ハイ?」


 「それでは、これからはキープさんと呼ばせてもらいますね?」


 怪訝な僕と満面の笑みのマリエ。


 有耶無耶の内に名前が決まってしまった瞬間だった。そうして、二人の間に名付け親とその子という<縁>が結ばれた。



この時、キープさんのレベルが数段上がった事は今はマダ誰も知らなかった。

*「ネームドモンスターへ昇格」

名称【キープさん】

種族(ストーン?)ゴーレム


読んで下さってありがとうございます。 楽しんでもらえたら嬉しいです。

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