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転生は普通のことだった!~3度目の人生、転生チートしてもそんなに巧くいくわけじゃないのよ~  作者: 牛一/冬星明
第二部.児童チートで優雅な(?)ドキドキ編、確かに女の子をはべらしますが、少女ですよ。
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3.王都だ。大きすぎるよ。

旅団が遂に王都に到着です。

「この先に見える大壁が王都の城壁になります」

「大きいですね」

「高さ50mといいますから、ウチの倍より高いです」

その大壁がどこまで横に広がっています。

後で地図を見えて貰うと、岐阜城のように山を取り囲むように城壁が作られ、山の裾に王宮を中心に庭園や様々な屋敷が配置され、その手前に行政府を兼ねた宮殿が作られています。

この宮殿が王宮に入る入り口でもあります。

宮殿の前に貴族の屋敷が立ち並ぶ貴族区があり、その前に王都の町が広がります。

だんご三兄弟です。

王宮の広さだけでウチの城壁市が4つくらい入る大きさであり、それが3つ並んでいます。

それは内部の話です。

その6乗倍の広さの大壁が周囲をぐるりと取り囲んでいます。

よく見るとその出入り口となる6つの門が六芒星の配置で置かれており、呪術的な意味で護符になっているのでしょう。

門の内側には城門町が広がります。

この城門町はウチの城壁市くらいの広いのです。

しかも一般人が取引できるのはここまでなので、一般人にとってこの城門町こそ王都なのです。

「地図で見るより随分と小さいですね」

「ここは城門町の一部で門前町です。敵をここに誘い込み、油を下水に流して町ごと敵を焼き殺すように作られています。この門前町までなら許可証なしで入場できます」

「怖いですね」

「父の話ではやはり王都の人は気位が高く。冒険者や商人は王都ではなく、周囲の侯爵が経営する城壁町と取引する方も多いそうです」

城壁町というと小さいように聞こえるが、市と町の違いは主要道路を引いているかどうかという違いでしかない。

国が指定した国道沿いの城壁は市に認定され、どれほど大きな城壁であっても国道から逸れた城壁は町認定にされてしまいます。

実際、侯爵の町はウチの市の3倍は大きいそうです。

同じ王都の衛星城壁町なのですが、学園と教会は都市を名乗ることが許されています。そして、どちらも許可がない者は入ることができません。

さて、旅団も門前町で解散です。

領軍の隊長さんが無事王都に着いたことを馬車の主に報告して歩きます。あいさつを終えた馬車から中央門へ馬車を進めてゆくのです。

あいさつが終わると俺達の馬車も走り出します。

中央門の横では城門町に入る許可書を貰う為に長蛇の列を作っていますが、この馬車は伯爵家の家紋が入っているので直接門に向かうことができるのです。

「貴族として自前の馬車を用意できない場合は、あちらの列に並ぶ事になります」

「伯爵に感謝ですね」

「本当です」

そんなことを話していると、馬車が止まって視察官がドアをノックします。

「通行許可証をご提示下さい」

伯爵から預かった印璽いんじ入りの書状を提示しまた後にそれぞれが学校からの推薦状を見せておきます。視察官が礼をして出て行くと、馬車は城門町に入ってゆくのです。あとは家紋入りの馬車はすべて素通りです。

王都中央の町は華やかであり、色取り取りの店が並んでいます。

まるで祭りのように着飾った大店ばかりが並びます。

「どの店も高そうですね」

「間違いなく高いです。すべて貴族専用の店ばかりです」

「これが全部?」

赤毛のお姉さんが目を丸くします。

もちろん宿屋も高級な宿屋しかありません。そんな屋敷のような宿屋の前で馬車が止まります。

宿屋という感じではないので、もうホテルといいましょう。

ホテルの支配人らしい方が馬車の前で待ち、俺達に頭を下げます。

伯爵の長男さんが段取りを終えてくれたようです。

飛行船の方が早いんですね。

王宮に登城するのは明後日です。

それまで部屋で寛いで欲しいと言われたのですが、部屋ですか?

30畳はある中ホールです。

これで個室だそうです。

コンコン、しばらくするとお茶会のお姉さんと赤毛のお姉さんが訪ねてきます。

「こっちは大きいね」

「俺もびっくりです。お姉さんの部屋も大きいんですか?」

「大きいよ。ここの3分の一くらいだけれども」

「正確に言えば、私達の部屋は個室ではありません。高級な護衛が止まる為の待合部屋です」

「そうなの?」

「はい、護衛は宿屋では特にすることがありません。その為に用意された部屋が私達の部屋です」

「あの大きさで待合部屋なんだ」

「おそらく、荷物持ちや下級の従者ように詰め込み部屋もあると思います」

「私はそっち方が落ち着くかも」

部屋付きのメイドが食事をどうするかと聞いてきた。

もちろん、一緒です。

食事を持ってくる前に、この部屋を担当するバトラーが俺に話し掛けてきます。

「よろしいでしょうか」

「うん、何かな?」

「お嬢様方の部屋とこちらの部屋は少々遠くございます」

遠いと言っても同じフロアの中央と端でそんなに遠くはない。ただ、この部屋に入るにはドア番がノックをして入る許可を貰ってからでないと入れて貰えない。気軽さという意味では確かに遠いかもしれない。

「この部屋にはお付きの従者部屋を併設しております。もしよろしければ、そちらの方をご利用されますか?」

「私、それはいい」

「わたくしもそれを希望いたします」

「かしこまりました。お食事に間にお荷物の方は移動させて頂きます」

「よろしく、お願い致します」

従者部屋は6畳くらいで少し小さくなります。しかし、この部屋にはお風呂が併設されており、レディーファーストでお姉さん方に使って貰いました。

待合部屋にはお風呂はなく、地下に共同の大浴場を利用する事となります。

大浴場と聞くと入りたくなりますが、日本やローマの大浴場ではなく、従者達が小奇麗にする為の浴場であり、風呂桶に浸かってゆったりするものではなく、お湯を使って体を洗うだけの浴場です。

水じゃないだけ、ありがたく思えという感じです。

大きすぎベッドは逆に寝づらいですね。

起き上がって町を見ると、街角に歩哨が立って警備に当たっています。

移動する光は巡回員でしょうか。

月明かりに屋根の上を動く影1つ。

町は清潔で浮浪者一人見当たらない裕福な町と思っていましたが、どうやらそれだけではないようです。

油断できません。

そりゃ、そうです。

下働きをする人もいるハズです。

明日は町の探検でもしてみましょうか。

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