穴のあいた似顔絵
試しに書いてみた詩かエッセイか分からない何かです。
小学校のときに流行って、音楽の授業でも演奏した歌が、バイト先で流れていた。その歌の歌手が解散するとかなんとかで、ちょっと話題になっていたからだ。
聞いたのは10何年ぶりだろうか。あのときは本当に人気で、そこら辺で流れていた歌ではあるが、私にとっては、彼等の解散などどうでもいい。
でも、この歌の意味は大きい。それだけはどうでもいいものじゃない。
この歌を聴くと、穴のあいた似顔絵が浮かぶ。四分の一の折り紙に書かれた小さな似顔絵だから、削って尖った鉛筆で、穴を開けただけでも、顔の大きさの半分くらいになる。
書かれた顔は丸顔で、毛深めだったはず。穴の占める割合が大き過ぎて、いかに毛深かったかはうろ覚えだ。
改めて考えてみると、あれば正に真ん中なんだって思う。丁度産まれてから今までの年月を数えると、穴のあいた似顔絵は、丁度真ん中の年になる。
つまり言いたいことは、それが真ん中に空いた穴だってことだ。記憶の真ん中にある、真っ暗の穴だってことだ。
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